キミコの探偵部

第1章:探偵部は大掃除からスタート!?

ガラリ。私は、マスクを付けて部室のドアを開けた。うう、今日初めての部活は緊張する。それにしても、普段の私達のチームで部活をやれるなんて。なんとね、しずきもそみこもまさもも、さきも入ってくれたの!しかも、その部活をやる先生は、さいと!何という巡り合わせ!で、最初の一日にすることは掃除と片付け。地味でしょ。だけどね、私達の部室は何年も使われてなかったみたいで、ほこりがたくさん積もっているらしい。だから、私はマスクをしてここに入ったの。私が中に入ろうとすると、そみこが追いついてきて、部室を見て顔をしかめた。私は、マスクをみんなに配る。めっちゃ積もったほこりを吸い込んだらやばいもんね。私達は、ほこりだらけの部室に飛び込む。ううっ。10センチくらいほこりが積もってるんですけど!私は、やっとの事で部室の掃除道具入れの所までたどり着いた。そういえば、まだまさもが来てないなあ。そう思いながら、掃除道具入れを開けると、まさもが出てきた。

「キミコ!じゃあ掃除しよっか!その前に、ほこりでほこりだるま作る?」

「冗談言ってる場合ですかっ!!こんなにほこりが積もっているのが見えないんですか!?体に害を与える物なんですよ!さあ、掃除しましょう!」

そみこがいつもの調子でまさもを叱った。まさもはちょっと笑うと、掃除道具入れの中を見せた。まさも、そみこをからかうと、そみこに起こられるよ。掃除道具入れの中には、ぞうきんが10個と掃除機が1台。ほうきが3つ。ちりとりもある。手袋と石けんスプレー。それに、スポンジとたわしとバケツ。うわあ、掃除道具がいっぱい。そみこの目がギラリと光る。やばい!スパルタそみこ登場!そみこが、私の予想通り指示をしていく。

「まず、キミコは掃除機です!そのあと、仕上げにほうきをやってください。しずきは、キミコの手伝いをしてあげてください。それから、しずきは仕事が丁寧なのでちりとり係をお願いします。それから、まさもは手を洗うところを磨いてくださいね。もちろん、たわしとスポンジを使ってくださいよ。さいとは窓を磨いたりしてください。それから、お手洗いの所をほうきで掃いたり、ゴミを捨てたり、ぞうきんがけをしたりブラシで便器をキレイにしてください。そして、さきはさいとを手伝ってくださいね。それから、みんなでゴミ捨ての人を決めてくださいね。私は、みんなのサポート係をやります。」

うう、そみこの指示って長いんだよね。えーと、私のやることは、掃除機でゴミを吸い込み、ほうきで床を掃く。だね。そみこは、パンッと手をたたくと、言った。

「掃除作戦、開始です!」

作戦じゃないけどね。私は心の中でつぶやいた。私はしずきと一緒に掃除機を掛ける。そして、しずきと一緒に部屋のゴミをとっていった。そして、ついに部屋はほこりがなくなった。よしっ!私は、ほこりをビニール袋の中に全部入れる。ビニール袋だったらほこりは飛ばないもんね。しかも、さいとが換気をしてくれたし、部屋の中には涼しげな風が通っている。私は、ビニール袋をゴミ箱に入れた。そみこは、私に言った。

「キミコ!休んでないで、ほうきの仕事をしてください!」

私は、

「はいはい。」

と適当に返事しながらほうきで床をはく。そして、何とか部室はキレイになり、今週は掃除と整理整頓で終わらせ、来週の月曜日を迎えたのだ。明日、大変なことが起こるということも知らずに…………

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第2章:ついに、探偵部最初の事件が!

私は、いつも通り部室のドアを開けた。そして、窓を開け、隣の部屋のキッチンの方へ行った。今日は、みんなに内緒でお菓子と紅茶を持ってきてるの。クラッカーと、蜂蜜。それから、ラングドシャ14個。最初は12個にしようかなって思ったんだけど、これは、じゃんけんでもらえるっていう感じにした。運が良ければ、ラングドシャをもらえるかも?あー、ワクワクする!そして、私はどんどん準備を進めていく。ちなみに紅茶はすごく美味しいハーブティーなんだ。私はテーブルに目を落とす。このテーブルに、テーブルクロスがあればもっと良いんじゃない?今度、まさもとさいとに作ってもらおう。私は、ラングドシャとクラッカーの箱を用意して、キッチンの鍵を閉める。パタパタ。そみこ達が廊下を走る音がする。私は、鍵をポケットの中に隠すと、事件のことが書かれている事件ファイルを読んでいるふりをした。ガラリ。扉が開く。そして、そみこ達が入ってくる。そみこは、私の最大のライバル。しずきは、私の幼なじみで、大親友。そして、まさもは私の友達。さきは、森で冒険したときに出会った、少女なんだ。まあ、森冒険に行く前にもいたみたいだけど。そして、さいと。さいとは、私のクラスの担任の先生なの。で、この探偵部の先生。この部活は、事件のことについての新聞を作ったり、みんなでいろいろな人を捜査したり。でも、まだ1回も事件は起きてないんだけど。そみこ達は、自分達の席に座った。私は、事件ファイルから顔を上げ、本棚に戻すと、そみこ達とおしゃべりし始めた。しばらく経つと、ガラリと部室のドアが開き、1人の少女が現れた。ああっ!この子は!!そみこ達もビックリした様子で、そのこの顔を見つめた。

「私は、ふうかと申します。この探偵部に用事があってきました。」

その子は言った。やっぱり…………!!ふうかだ!ふうかは、この星で一番かわいいとされている、アイドルなの。そみこは、私に耳打ちする。

「キミコ、キッチンで落ち着きましょう。お茶の用意をしなければいけませんが、頑張りましょう。」

私は、うなずくとふうかに言った。

「ふうか、ようこそ、探偵部へ。私は、部長のキミコ。いったん、ティータイムにして落ち着こう。それで、事件のお話を聞くから。この、青い髪の毛の子は、しずき。めがねをかけている子がそみこ。そして、今日はポニーテールにしている子はまさも。そして、サーモンピンクが混じった茶色い髪の毛の子がさき。そして、この部活の先生が、さいと。そみこ以外のみんなはやさしいから、安心して。」

ふうかは、少しとまどうと、そみこに視線を向ける。そみこは、私に向かって言った。

「キミコ。私以外は優しいってどういうことですか。」

私は、そみこを無視してふうかに手招きした。ふうかは、ゆっくりと部室に足を踏み入れる。私は、キッチンの鍵を取り出すと、ゆっくりと扉を開けた。そして、目の前のキッチンの姿を見た瞬間、みんなが感動するところが見えた。えっへん!そみこは、すぐにささっとふうかの食器を準備する。ふうかは、目の前のお菓子や紅茶に釘付けだ。そして、みんなでいっせいに席に着くと、私が1人2枚ラングドシャとクラッカーを配った。クラッカーは、私がお腹すいたときにこっそり食べるようで(本当はダメだけど)持ってきてある。そみこがこれを知ったら、メチャクチャ怒る。今にもそみこの怒鳴り声が聞こえてきそうだよ。私は、次に紅茶をみんなのカップに注ぐ。そして、みんなでわいわいとおしゃべりしながらティータイムを過ごしたのだ。

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第3章:ふうかと謎の男

そして、あっという間に過ぎたティータイムの時間の後、私達は、机で事件のことを聞いていた。ふうかの話していた事をまとめると、こんな感じ。ふうかは、怪しい男に一週間くらい前から追いかけられていて、犯人は、コートを着ていて、めがねをかけている人。うーん、今の時期は、まだ気温がそんなに高くないから、コートを着ている人も多い。でも、問題はその男をどうやって捕まえるかだね…………私は、ぐっと拳を握りしめると、叫んだ。

「みんな!怪しい男事件の会議、始めるよ!だれか、作戦がある人、いる?」

すると、そみこが真っ先に手を挙げた。

「この事件を解決するには、危険ですがおとり作戦を使うしかありません。まず、私達は、一緒に並んで帰る。そして、怪しい男が来たら、いっせいに飛びかかり、捕まえるんです。」

しずきは、うなずいた。

「そうね、この作戦はちょっと危険。でも…………他の作戦は思いつかないから、やってみましょう。」

私は、気合いを入れてポーズをとる。

「よし!探偵部、作戦開始!」

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第4章:謎の男とついに対決!

てくてく。私達は、並んでおしゃべりをし始める。私達は、それぞれ武器を付けている。私の腕には、1粒の石があるブレスレット。これは、新しくさきが発明した物で、そみこのハリハリミコサー(針がいっせいに敵に向かって飛んでいく魔法)を詰め込んだもの。ハリハリミコサーは、刺さったら気を失っちゃうの。そして、そのブレスレットはみんな付けている。まあ、時計も方法の一つだったけど。時計には、手裏剣が入っている。でも、手裏剣だと目立っちゃうから、針にしたんだ。そして、私の武器は、小型棒。小型棒は、トゲラっていう森で冒険したときに現れたモンスターから奪った物を、短くしたやつ。大きすぎると、道にいる人にばれるからね。まあ、これは、長くできるボタンも付いてるけど。この棒は、私の服に付いているベルトの部分にさしているんだ。そして、しずき。しずきは、デコピンパチンコを持っている。デコピンパチンコは、指で空気をはじくと、ボールができて、敵の方に向かっていくって言う武器。しかも、石とかもはじくことができるんだ。そして、しずきは全回復魔法のブレスレットを持っている。全回復魔法は、体力がなくなっちゃったときのための、体力を回復する魔法。そして、そみこは、光の銃と強力ビーム銃を持っている。光の銃は、光で相手の目を眩ませることができる銃。別に、けがはしないから大丈夫。まあ、目がちょっとチカチカするかもしれないけど。そして、強力ビーム銃は、ちょっとだけ、けがしちゃうかも。だから、これはあんまり使わないようにしてるけど。まさもは、メッサカリントンとデスノコローノーゼ。メッサカリントンは、敵に向かって炎が出て行くの。そして、デスノコローノーゼは、それを出すと大岩が転がってきて、敵は吹き飛ばされるっていう魔法。そして、さいとは天使羽を付け、ずっとふうかのそばにいる。さきは、光の檻とプロペラミキサーを持っている。光の檻は、相手に向かって檻が飛んでいく武器。でも、すごい憎しみが強いと、敵の言うことを聞くようになっちゃうんだって。そして、ふうかは天使羽を付けている。たとえ、本当にふうかが襲われそうになっても、天使羽があれば、空を飛んで逃げれるしね。それで、飛んで逃げたときの待ち合わせ場所は廃校になった小学校の屋上にしてある。これで、大丈夫なはず。私は、後ろを振り返ってみる。いた。小学校の曲がり角に、怪しい男が立っていた。よし。私は、みんなに指を1本立ててみせる。作戦1開始の合図だ。実は、部室でこの作戦のことを話し合っていたのだ。作戦1は、道に落ちている物にみんなが注目する演技をし、敵が近づいてきてくれるようにするための作戦。そのあとの作戦2は、ふうかを守り、戦うという作戦。そして、ふうかが逃げたときには、私とそみこだけ、遅れていくようにした。敵を足止めしないと、まだ空を飛ぶのになれていないふうかは今度こそ捕まってしまうかもしれない。そう思って、戦うのになれている私とそみこが足止め役になったんだ。それに、もう準備は万端。ちゃんと、キレイな石を地面に埋め、それをみんなで掘り出しておしゃべりを始めるつもりだ。私達は、男に気づかれないように石を掘り、

「わ~!キレイな石!ね、すごいすべすべしてるよ。」

と言った。そして、予想通り男が近づいてくる。最初に、そみこの攻撃が当たってくれなかったら、せっかく立てた作戦が台無しになってしまう。私は、作戦2の合図を出す。そして、男はゆっくりとふうかの所へやってくる。その時、そみこが男の足を引っかける。それを見た瞬間、全員が立上がり、ふうかとさいと以外全員で攻撃した。男は、めがねやマスクを外し、まさもをナイフで攻撃しようとした。けれども、さすが動きが素早いまさも。ひょいっとジャンプして身軽にかわしてしまった。そしてナイフを素早く拾ったそみこは、ベルトにナイフをさし、光の銃を私に投げてくれた。私は、見事にキャッチ!ところが、敵は槍を持っていたのだ。男は槍をうまく操り、しずきへ狙いを定めた。しずきは、とっさによけようとしたけれど、一瞬遅く、敵の槍がしずきの右手を滑る。しずきは、右手を押さえてうずくまる。そこに、男はまた槍で攻撃しようとする。ダメ!私は、しずきの前に飛び出し、槍を自分の体の近くで止めた。そして、思いっきり引っ張る。でも、男の力もなかなか。そして、私の手が汗で滑りそうになったとき。ボオオオオオオッ!!まさもが放ったメッサカリントンが男を襲う。男は、槍を思いっきり振るうと、メッサカリントンをよけ、またしつこくしずきを狙ってきた。私は、

「しずきを狙うなら、まず私を倒してからにしなさい!このまましずきを切りつけたら大変な騒ぎになるわよ!警察に通報されてもいいならいいけれど!」

と叫んだ。敵は、私を狙ってきた。ガキン!私がベルトから抜いた伸ばした状態の小型微雨と男の槍がぶつかった。そして、この後はもう力比べ。私も力はけっこう強いんだからね!でも、だんだんと私の方が押されていく。その時、ガンッと音がし、男の槍を持つ手に石が当たった。しずきのデコピンパチンコだ!そして、石が当たった瞬間に男の手の力が緩むのを感じられる。今のうちだ!私は、槍を打ち負かし、さらに男を鉄の棒で攻撃した。その棒は、敵の体に当たる。でも、敵はそんなこと気にせず、また襲ってきた。私は、今度も鉄の棒で受け流した。でも、私の息は切れているのに、男はよゆうの表情。たぶんこれ、私が絶対負けちゃう。ふうかを逃がさなきゃ!このままふうかがいたら、けがしちゃう!私は、戦いながら言った。

「ふうか、しずき、まさも、さいと!3人は逃げて!」

しずきは、こくりと頷くと、待ち合わせ場所へと飛んで行った。そして、私が再び負けそうになったとき、さきが放ったプロペラミキサーが飛んでくる。プロペラミキサーは、どんどん大きな竜巻となり、敵が竜巻に飲み込まれた。その手から、カランと槍が落ちる。私は素早く拾い上げると、槍をベルトにさす。ところが、敵は思わぬ方法で私を攻撃してきた。私のブレスレットだ。敵は、私の方にブレスレットを向け、ハリハリミコサーの針を放ってきた。もう、よけきれない!私が、諦めて目をつぶったその時。ヒュンッ!透明な矢が飛んできた。それは、針とぶつかり、道のコンクリートへ刺さった。弓矢と言えば、そみこ。そみこの方を見てみると、そみこが溶けない氷で作った弓矢を見せた。敵の怒りは、完全にそみこの方へ向いてしまった。私は、敵の背中へ槍を持ちながら突進していく。けれども、男はひらりとかわすと、別の所に逃げてしまった。それを、そみこの弓矢が妨害するが、男は全部弓矢を手で受け止めると、何本か私たちの方に飛ばせ、時間を作り、逃げてしまった。私が一瞬見た、男の背中は、そのまま待ち合わせ場所の方へ向かっていった。しずきとさいととまさもとふうかが!私達は、慌てて男の後を天使羽で追う。けれども、急いで充電した天使羽の充電がとうとう切れてしまった。しまった。私達は、空を飛ぶのをやめて、男を追う。でも、男の動きは素早く、追いつけない。そして、男は学校の暗証番号を打ち込み、中に入り、門に鍵を掛けてしまった。やばい。この門はフェンスのように大きく、飛び越えることもできない。男は、暗証番号を打ち込んだ。その番号がわかれば…………!そみこは、リュックサックからセロハンテープとチョークの粉を取り出し、手袋を付けてチョークの粉を暗証番号の所に塗り始めた。そして、そこののチョークの粉を払ってみていると、男が触ったボタンのところがわかった。そみこは、パソコンという名前のタブレットを取り出した。そして、文字を入れ替えるアプリを開き、急いで文字を打ち始めた。すると、次々に入れ替える数字が出てきた。私は、そみこに言われた通りにどんどん数字を打ち込んでいく。そして、5回目くらいにやっとカチッと音がし、門が開く。私達は一息ついた後、中に入り、ある校舎の扉を開けた。そみこはリュックサックに入っていた懐中電灯を取り出し、私たちに配った。私達は、ゆっくりと歩を進める。そして、電気のスイッチを探し、つけようとしたけれど、電気はつかない。そみこは、首を振った。

「無駄です。ここは、もう古いところ。人なんて、普段いません。誰もいないのに、電気が付く方がおかしいです。」

私は、階段を上っていく。そみこは、

「屋上に行きましょう!しずきたちも、そこにいるはずです!皆さん、屋上に行くときには、荷物を下ろしてください邪魔になってしまうかもしれません。みんな、昼だから、明かりは差し込んでいます!一気に、階段を上がってください!」

と叫んだ。私達は、全速力で階段を駆け上がり、ようやく最上階に着いた。そして、屋上に続くはしごを登った。そこには、男としずきがいた。しずきは、カーディガンを着て、男と向かい合っている。けれども、しずきは動けないでいた。どうなってるの!?私は、しずきの体を見てみる。けれども、しずきの体には何も付いていない。私に気づくと男は、固まってしまったしずきの体を持ち上げ、自分の方へ引き寄せた。そして、「ふん。おまえ達はバカだったな。こいつを離して欲しければ、ふうかと交換しろ。」と言った。私達は、何もできない。あれ、まさもとさいととふうかがいない。良かった。3人は無事に逃げられたんだ。私はうなずくと、

「わかったわ。ふうかは私達が探す。しずきには手を出さないで。私が見張っていてあげる。そみこ、さき、みんなを探して。」

と言った。そして、そみことさきが言ったのを確かめると、私は言った。

「しずきに、何をしたの?」

男は、

「それを言わなくちゃいけないのか?」

と応える。必要以上の事は喋ってくれないみたい。なら、ちょっと挑発してみよう。

「あんた、たいしたことないわね。しずきをとったくらいで、いい気になってるつもり?しょせん、あんたは1人。何もできないわよ。簡単にふうかを誘拐できると思わないでちょうだい。」

男は、黙っている。う。全然動じない。私はさらに挑発を続ける。

「あーあ。無視?そういう人は嫌われるのよ。どうしようもない人ね。」

そして、言葉を言い終わると同時に、そみこがはしごを登ってきた。

「ふうか達を連れてきました。」

ふうかは、ゆっくりやって来た。顔が緊張でこわばっている。男は、手を差し伸べた。

「さあ、ふうかをこちらに渡してもらおうか。」

私は、ふうかと一緒に歩いて行った。そして、男の目の前まで来た時。ヒュウウウウウッ。小さな竜巻がいくつもも飛んでいき、その中に閉じ込められていた炎が男の服を焦がした。男の服に付いた火は、すぐに消えたが、男は火傷してしまったらしい。腕をけがした男は腕を抑え、しずきを放した。そのしずきを、私たちは連れてきた。そして、ふうかが隠し持っていたお札をを手で持った。男は、息をのむ。

「まさか!」

ふうかは、男の言葉には動じず、

「さい縄呪術、解除。」

と唱えると、しずきにお札を貼った。するとみるみる、しずきの体が生き生きした物に変わっていった。そして、ついにはしずきの目が覚めた。よかった、しずき!私はしずきに抱きつく。しずきは、一瞬びっくりしていたけれど、すぐに戦い中だったことを思い出した。

「キミコ。抱き合ってる場合じゃないわ。戦わないと。私は、あの設定にするわ。」

あの設定?私は不思議に思いつつも、小型棒を持った。そして、普通の長さにする。しずきのことは、私が守るんだから!私は気合いを入れる。しずきは、ブレスレットの画面を操作している。しずき、何をしてるんだろう?でも、まずは、この男を倒してからにしよう!私は、ぎゅっと棒を握りしめる。男は、ゆっくりと剣を取り出した。マンガで読むときに出てくる剣みたい。でも、あの剣とこっちの棒だったら、必ずこっちが負けるはず。あっちの方が有利になっちゃった。そみこも、弓矢を構える。まさもは、メッサカリントンを出す準備をしている。さいとは、氷結晶攻撃魔法を準備していた。さきは、プロペラミキサー。ふうかは手にお札を持っている。よし、完璧だね!最後の戦い。絶対に、負けられない!その時、ピッと音が鳴り、私達の服が変化した。私は、他のみんなよりも戦う服が守備できるようになっていた。そして、しずきは、魔法使いのような姿になっていた。魔女みたいな帽子をかぶり、すみれ色に輝くドレスは、夜空を示すような、深い紫色だった。そして、髪の毛は今までポニーテールに結んでいたのが、今ではおろされていて、ふわふわとカールしている。そみこは、私よりも守備力が弱そうな装備。草色の服は、落ち着いていて、それを見るとほっとするような感覚があった。まさもは、半袖のシャツにショートパンツ。そして、腕の所は布みたいなのをはめている。そして指が通れるようになっていた。足も、まさもは長い靴下。さいとは、そみこと似ている装備だった。さきは、白色のサーモンピンクの模様が入っている長袖のシャツと、長ズボン。そして、2つとも手首や足首のところがふわふわしている。そして、そこには銀色のスパンコールみたいなのも付いていた。そして、一番驚いたのがふうかの格好。なんと、ふうかは巫女の人みたいな着物を着ていたのだ。そして、短いけれど美しい、恋色(薄いピンク色)の髪の毛には、リボンが付いていた。うー、いつもよりもさらにかわいい!しずきは、さっき服を変えてくれたんだね。男は、あっけにとられてボーッとしていた。今のうちだっ!私達は、いっせいに敵に向かって攻撃を仕掛ける。私は、敵に向かって鉄の棒を振りかぶる。けれども、敵はそれを剣で受け止めてしまった。けれども、上からの力と下からの力では、下の方が不利だ。身長が男よりも低い私はどんどん押されていってしまう。今、天使羽をつけることができたらいいのに!私は渾身の力を込めてこれ以上鉄の棒が押されないようにする。その時。お札を持ったふうかの声が聞こえてきた。                                                            

「お札の神様。天使羽の効果を発揮して、キミコを助けてください。」

ふうかっ!私は、鉄の棒に力を込める。そして、お札が飛んできた。そのお札は、私に張り付いた。ボンッ!お札は爆発して、天使羽に姿を変えた。私は、天使羽の力で宙に浮き上がる。男は、かなり不利になったみたいだ。それに気づいた男は、勢いよく剣を振った。ずっと勢いに任せていた私は、地面に落下してしまった。うっ。私は、めまいと共に体力が減ったのを感じた。男は、倒れている私に向かって剣を振りかぶる。もう、ダメ!すると、ふうかの声がした。

「お札の神様。キミコ対象、守備結界装着。攻撃無効。急いで向かってください!」守備結界は、敵の攻撃を受けないようにしてくれるんだ。しかも、体力も少し回復してくれる。でも、こっちからの攻撃も敵には通らなくなってしまう。どっちが私にたどり着くのが早いか。お願い、ふうか…………!!!そして、お札の方が若干早く、守備結界を張ってくれた。そして、男は剣で私を刺せなくなった。今まで、それをびっくりして見ていたそみこ達も、一斉に男へ攻撃を始めた。ところが、男は最初に飛んできたそみこの弓矢を全部手で止め、みんなに跳ね返した。まさものメッサカリントンは、瞬く間に消滅し、さっきの矢によって全員がけがをしてしまった。今、けがしていないのは男だけ。ふうかは、急いで呪文を唱える。

「お札の神様。しずき、そみこ、まさも、さいと、さき、私を守備結界で守って下さい。攻撃無効、すぐに行ってください!!!!!!」

そして、お札を六枚、みんなと自分に向かって飛ばした。そして、私達は守備結界に包まれた。けれど、私の守備結界が揺れている。やばい、もう少しで、守備結界がなくなっちゃう!私が、全回復魔法の画面にすると、みんなの体力が表示された。みんなの体力が少なくなっちゃってる。守備結界が割れたら、急いでみんなを回復させなきゃ!そう思った瞬間、とうとう守備結界が破裂してしまった。少し体力が回復した私は、敵にサッカリミリントンという魔法を浴びせた。サッカリミリントンは、本が敵の所へドサドサ落ちていく魔法。敵はそれをよけきれず、本の山に埋まってしまった。今のうちに警察を呼ばないと!その時、みんなの守備結界が割れた。そみこは、

「私が警察を呼んできます!ここには、確か電話機があったはずです!」

と叫び、はしごで下りていった。しずきは、すぐに立ち上がるとみんなを回復させてくれた。よし、元気がみなぎってきた。でも、もう本がの山がもぞもぞ動いている。もうすぐ、男が出てきちゃう。まさもは、メッサカリントンの準備をした。私は、噴水攻撃魔法シールを自分の体に貼り付けた。噴水攻撃魔法シールは、このシールを体に貼り付けると手から噴水を出せるようになるんだ。これで、噴水攻撃もできるはず!ふうかは、お札を準備する。そして、その瞬間敵が体を出した。私は、サッカリミリントンを消滅させると、噴水で早速攻撃した。男の体はびしょ濡れになった。これで、戦いが難しくなるはず!そして、まさもがメッサカリントンを飛ばした。そして、男がよけようとしたが、服が水を吸ってしまって、うまくよけきれなく、足にメッサカリントンがかすった。男はお札を出して、ぶつぶつと呪文を唱えた。その瞬間、敵の手に長いロープが何本も現れた。そのロープは、私たちを縛ってしまった。そして、ロープの先は男が持っている。男は、私達をある部屋に移動させ、ロープの先を棒に結びつけ、固定させた後、鍵を掛けた。どうしよう、完全につかまっちゃった。しずきはみんなに言った。

「男はきっと、そみこを探しに行っているわ。だから、うまいこと縄抜けすれば、一応、大丈夫なはず。」

そういった瞬間、まさもがもぞもぞと動き始めた。そして、ぱらりと外れたロープを腰のベルトに付け、私たちのを外し始めた。そういえばまさも、縄抜けするの得意だったっけ。そして、私たちはやっと自由になった。まさもは、ドアノブをガチャガチャとやっている。あ。ドアに鍵穴がある。まさもは、しずきのヘアピンを借りて、鍵穴に差し込み、ドアの鍵を開けた。けれども、しずきのヘアピンはパキッと割れてしまった。しずきは、ちょっと残念そうにしたけれど、すぐにそみこを見つけに走って行った。

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第5章:謎の男との最後の戦い!勝つのはどっちか!?

無事、そみこと私たちは会うことができた。その瞬間、男が襲いかかってきた。そみこは、

「1階に行きましょう。」

と言い、男の足を払ってバランスを崩させた。

「今のうちです!!早く!」

そみこが叫ぶ。私は、全速力で階段を駆け下りた。そして、1階につくと立ち止まる。そみこは、

「警察の方に、下駄箱の所にいると言いました。もうすぐ来てくれるはずです。」

と言った。そして、男がやって来た。男は、まっしぐらに剣を私に向けた。私達は、みんなで一斉に攻撃する。けれども、敵は私の棒を奪い取ると、ふうか達の方に突きつけ、私の方に剣を向け、刺そうとしてきた。私は、剣を持ち、必死に自分から遠ざける。そみこ達は棒を向けられているので、身動きできない。どうしよう、もう無理だ!そう思った瞬間、がらりとドアが開き、警察の人が現れた。男は舌打ちすると、逃げようとした。そんなことさせない!私は、剣と男の腕を掴むと、必死で逃げさせまいと引っ張った。そみこたちも、ジャンプして棒と男の腕を掴んだ。もう、逃げられない。男は、思いっきり両手を振り回した。でも、私達は放さない。一瞬、男が持っている剣が私の腕を滑った。ここで、放したらダメ!私は必死に痛みをこらえながらしがみつく。そして、やっと警察官の人が男を捕まえてくれた。私達はハアハアと息を切らせる。しずきは、私の腕に包帯を巻いてくれた。ふうかは、

「ありがとう。私を命がけで守ってくれて。」

と私にお礼を言った。

「夢みたい。なんか、普通の生活に戻るのが、つまらなくなっちゃうかも。今回のワクワクドキドキは、キミコが与えてくれた。この日のこと、絶対に忘れないわ。」

とふうかは私に抱きついてきた。そして、しばらくすると私とふうかはやっと離れ、みんなと一緒に家へと送っていった。ふうかは最後に連絡先をみんなに教えてくれた。そして私達は家に帰った。探偵部最初の事件。今回のは、本当に大変だったけど、私達は絆とチームワークで、どんな困難も乗り越えてみせる!私たちの絆は永遠だよっ!

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