探偵部 vs 魔法使い

第1章:新しい部員

私は、毎日のように部室まで行く。

私はキミコ。

ツインテールが目印の、明るい運動神経抜群の探偵部部長です!

探偵部の部屋は、一件見ると目立たない。

でも、何週間かに1回くらいのペースで事件が起こるんだ。

まあ、たいていはなくし物を探して欲しいとか、そういうのなんだけどね。

でも最近、七不思議探検事件をきっかけに2人の新しい部員を獲得したんだ。

その七不思議探検事件は、ちゃんと解決したんだけど…………

私達、けがしちゃったんだよね。

まあ、もう治ったけど。

でも、まさもはまだ骨折してしまった足を引きずっている。

でも、表情はいつも通り。

元気いっぱいで、明るい。

あ、まさもっていうのは、ポジティブ王と呼ばれているおしゃれ、家庭科、マジックがとても得意な女の子。

すると、そみこが扉を開けてきた。

「ちょっとキミコ。いつまでそんなところにいるんですか。」

呆れているような感じの口調。

ムカッ。

私はそみこに向かって叫ぶ。

「そみこには関係ないもんね、私がちょっと廊下で立ち止まるのがいやだったら、見なければいいでしょ!」

あ、そみこっていうのは私のライバル。

いっつもキリキリ、カリカリしてるもん。

なのに、みんなそみこに学級委員選挙で投票するの。

みんなは、そみこに投票したことを多分、公開していると思う。

そみこのことがだんだんわかってきたから。

成績が悪い人が遊んでると、ボンドみたいに誰かに張り付いてその人のことをずっと監視したりするもん。

成績悪いのはしょうがないよ、そんなことまでしなくてもいいのにって思っちゃう。

そして、続いてしずき、さき、さいと、シャインがやって来る。

しずきは、なんでもパーフェクトにできる女の子。

しかも、超美少女なんだよ!

…………これ、誰にも内緒。

実はね、そみこもめがねを外すと超絶・美少女。

雑誌にも載るくらいの実力を持ってるんだって。

でも、そみこはあんまり目立つのが好きじゃないから、めがねで隠しているんだ。

まあ、キリキリカリカリしてるのは本性だけど。

さきとリンティは、機械に詳しい子。

さきもリンティもシャインも途中から加わったんだけど、私達と同じくらい冒険になれてきている。

シャインは変装が上手。

隠れて操作するのがうまい女の人なんだ。

さいとは、私達の先生。

すごい優しくて、起こったところを1回も見たことがない。

というか、想像もできない。

そして、さいとはシャインに片思いしているんだ。

恋、叶うといいなぁ。

今のところ、順調に距離は縮まっている。

そして、今日は最高の日。

だから、飾りを用意したんだ。

私達は輪飾りを壁に付けていく。

するとそみこが残りの数を見て叫んだ。

「キミコ、輪飾りの数がたりません!」

えっ!?

慌てて輪飾りを見ると、キッチンを飾る分はなかった。

しずきは冷静になる。

「私が学校に折り紙を持ってきたわ。それを使って、みんなで急いでつくりましょう。奈菜と愛美の先生、帰りの会がすごい長いらしいから、少し時間を稼げるわ。いつもの行動を見てみたんだけど、だいぶ長かった。先生の話が長くて、全然帰れないらしいわ。しかも、奈菜を愛美のクラスはこの前の事件の後の引っ越しで向こうの校舎になったわ。今は南校舎にいる。中校舎もあるし、こっちの北校舎には遠いわ。だから、頑張ってつくりましょう。走っても、20分くらいはかかる。階段がたくさんあるから。」

そみこは、パパッと暗算する。

「あと16本必要です。じゃあ、1人2本ずつ、つくりましょう。」

しずきは焦った顔をする。

「まずい。もうこうしている間に帰りの会が終わってしまうわ。飾り付けの時間もあるし、もう間に合わないかもしれない。輪飾りをつくるのにだいたい10分くらいかかるから。みんな、急いでつくって。終わった人から飾り付けの準備をしましょう。じゃあまず、そみことまさもは残りの輪飾りを飾り付けて。他のみんなは折り紙を使って輪飾りをつくってちょうだい。あんまり時間はないわ。さあ、頑張りましょう。」

私達は一斉に動き始める。

定規で長さを測って、はさみで切って…………と。

意外と時間がかかるんだよね、こういう作業って。

そう思いながら私達は作業を続けた。

しばらくすると、しずきが立ち上がる。

私は時計を見上げる。

作り始めてから15分。

たぶんもうすぐでななを愛美が来てしまう。

そうこうしているうちに、シャインも終わらせる。

シャインは相変わらずきれいな声で

「じゃあ、奈菜と愛美の様子を見てみるわ。一瞬でできるから。」

と言った。

私はうなずくと、手を再び動かす。

そうこうしているうちに、さいととさきも終わらせる。

しずきは指示をする。

「私は飾り付けをするわ。さきもそれを手伝って。さいとはみんなのサポートをお願い。」

すると、まさもがいすから転げ落ちる。

ぎゃっ!

私は手を止め、まさもの方を見る。

まさもの作品を見ると、まさもの折り紙は天使の頭の上の輪みたいな物に変身していた。

まさも、それ、どうやってやったわけ?

しずきはアイデアを思いつく。

「まさも、それをあと7個つくって。あと、天使羽の羽も切り取って。あれ、定期的に切らないといけないの。どんどん生えていくから。その天使羽の羽を使いたいの。それを輪にくっつけて。そうしたら完成よ。かなりきついけど、よろしく。さき、まさもにやり方を教わって、つくってくれる?」

私はやっと輪飾りをつくり終わる。

そして、箱に入れた。

しずきは汗だくで言う。

「キミコ。キミコはみんなのサポートをお願いしたいの。お願い。もし、サポートする人がいなかったら、まさもやさきの作品作りをして。」

私はみんなに向かって大きな声で言った。

「みんな、サポートは必要?」

すると、リンティが手を挙げる。

そみこは、もうすぐできるみたい。

すると、静かなフロアに小さな足音が聞こえてきた。

奈菜と愛美だ!

するとしずきが叫ぶ。

「キミコ、足止めお願い!」

私は、探偵部を出ると、奈菜と愛美に駆け寄った。

すると、奈菜を愛美が不思議そうな顔をする。

「「どうしたの?」」

今日も、息ピッタリ!

私はなんとか足止めしようと奈菜と愛美に話しかける。

「奈菜、愛美。事件って見つかったりした?」

すると、愛美が信じられないことを口にする。

「うん、この前みたいな不気味な事件じゃないけどね。最近、『呪いの杖』っていうのが噂されているの。どうやら、その杖は触るとその中に閉じ込められた悪意や妬みなどがその人に乗り移り、その場所を破滅させるっていう噂があるのよ。それでね、その杖で何人かけがをした人がいるの。私達は、その事件を解決したい。だから、探偵部でそれを解決しようって。」

おっ、これは足止めの機会!

私は奈菜と愛美に言う。

「奈菜、愛美。お願い。手伝ってくれる?その杖を、封じ込めるから。」

奈菜は困ったように言う。

「でも、その呪いの杖を誰が持っているか、わからないの。でも、杖について調べたら何かわかるかもしれない。」

私はうなずく。

腕時計を見ると、奈菜と話し始めてから10分くらい経っていた。

これなら、大丈夫。

私は奈菜と愛美に言う。

「奈菜、愛美。じゃあ、今日は情報収集をしよう。二人とも、少しゆっくり歩いてきてくれる?」

そして、私は探偵部に向かって走り出す。

すると、しずきが私にブレスレットを向ける。

すると、私の体が羽いっぱいの服装に変身した。

髪飾りも、白いポンポン。

服装に感激していると、愛美と奈菜が近づいてくる。

するとまさもが私の手にクラッカーを押し込む。

すると、扉ががらりと開いた。

私は、クラッカーを鳴らす。

すると、スーパーボールと紙吹雪が散った。

しかも、羽もひらひらと落ちる。

まるで、雪みたい。

奈菜と愛美は立ち止まり、感動している。

端にいるさいととシャインがバッと紙を広げた。

そこには、賑やかな文字で「ようこそ、探偵部へ」と書いてあった。

そして、まさもはピッとブレスレットを操作した。

すると、私達がいつもの服装に戻る。

まさもは、奈菜と愛美を案内してくれた。

そこには、いつもよりも豪華な絶景が広がっていた。

カーペットには秋らしい紅葉とイチョウのトンネルが続いていた。

まるで、大自然の森に来たみたい。

カーテンには紅葉が風に飛ばされている絵が。

机には、美味しそうなラングドシャ、まさもが頑張ってつくったクッキーが並んでいる。

もちろん、バタフライピーっていうハーブティーも。

私がレモン汁をたすと、夜空のような深い青色から高貴さがよくでているすみれ色に変わった。

そして、私達はお茶の時間をたっぷり楽しんだのだった。

メリット
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第2章:事件

そして、奈菜が話し始める。

「みんな、聞いてくれる?今回の事件…………」

私は、ぐっと手を握りしめる。

「あのね、私が耳にしたのは『呪いの杖』よ。もともと、この小学校にあった杖らしいの。」

奈菜が言った。

しずきは目をつむって応える。

「私も、聞いたことがあるわ。確か男の子が最初に手に取ったのよね?その子の名前は、健太郎だったはず。」

奈菜は、こくりと頷く。

「うん、そうよ。私は何日前から聞いた噂で、ネットで調べてみたの。最初は発明者がつくったらしいわ。世界一呪いに強い杖をつくろうと思ってね。でも、その効果は真逆になってしまった。なんらかの間違いがあり、それはどんどん憎しみなどをため込み、触ったら呪われてしまう、呪いの杖になってしまったの。その杖を触った発明者もいつしか死んでしまったわ。そして、その発明者の助手が発明したの。呪いの杖を触れる、たった1つのものを。それは、手袋なの。そして、その手袋を使い、発明者の助手は土の奥深くの秘密基地に呪いの杖を埋め込のよ。」

するとそみこが不思議そうに言った。

「奈菜、そこまではわかりましたが、なぜその呪いの杖が男の子の手に渡ったんですか?」

奈菜は目を閉じる。

「それがね…………工事で土が掘り返され、浅いところに呪いの杖が来てしまったの。それを、ある男の子が拾ったのよ。」

そみこは、わかったようにポンと手を打つ。

「そういうことですね。それを男の子が拾い、どんどん現代に伝わってきたと。」

そして愛美が口を挟む。

「でもね、呪いの杖は最近出てこなかったの。噂では、もう誰かが封印してくれたんじゃないかって言われていた。でも、安心した途端にまた呪いの杖が出てきて…………呪いの杖は強力な魔法を持っている。狙った相手をネチネチと追い詰め、狙われた人間は死に至る…………そう言われているのよ。そして、呪った人間もやがて呪いの杖によって死んでいくの。」

うっ。

そんな噂まであるなんて…………

そみこは不安そうな顔をする。

「小学校を探索するにしても、そんな危険な呪いの杖があったら安心して探索することができません。」

すると、さきがブツブツと言い始める。

「特定物、呪いの杖。呪いの杖が近くにいたらレーダーを点滅させる…………」

な、何?

振り返ってみると、さきがパソコンのキーボードを叩いていた。

さきはこちらを振り向かずに言う。

「そみことまさもは図書室で調べて。キミコとしずきは検索して調べて。さいととシャインはプログラムを組み立てて。もし時間があれば、私達のサポートもお願い。」

さき、冷静…………

すると奈菜が言う。

「私達はどうすればいい?」

さきは手を止めて振り返る。

「奈菜、愛美。ごめんなさい、こんな日に。書類を書いてもらってもいい?この学校、入部希望の書類が多すぎて。」

そして、紙の束を置いた。

愛美と奈菜はその量の多さに絶句する。

「ちょっと、これ、どうやるの?方法わかる、愛美?」

「わかんない…………今日中に終わらせれるかしら?」

私はパソコンのキーボードに手を置く。

どうやって調べたらいいんだろう?

私は「呪いの杖」と入力する。

でも、確かなものはなにもない。

私は諦めて「学校の呪いの杖 男の子 画像」と入力した。

すると、イラストや写真が出てくる。

見てみると、1つだけ本物らしき物を見つけた。

私はその記事を読んでみる。「呪いの杖は昔ある有名な発明者がつくりました。彼女は世界一呪いに強い杖をつくろうとしましたが作り方を誤り、呪いの杖をつくってしまいました。呪いの杖はきわめて魔法の技が強く、他の杖とは比べものになりません。光、水、葉、氷、心、火、銀、金が必要です。この物を合わせて呪文を行えば、きっと呪いの杖は元の『聖なる杖』に姿を変えてくれます。そして、その発明者の助手が土に呪いの杖を埋めました。けれども、ある日起こった工事で杖が掘り返されてしまったのです。その杖は。ある少年の手に渡りました。そして、次々と人を殺していき、どんどん力を強めていったのです。今でも呪いの杖は残っています。」私は、奈菜と愛美を呼ぶ。

「愛美、奈菜。呪いの杖の解決法、わかったよ。」

愛美と奈菜はすぐに来てくれた。

私はコンピュータ画面を見せる。

奈菜と愛美は画面をジッと見つめる。

「愛美…………これよね、私達が見つけた写真。」

「確かに、奈菜の言う通りだわ。光、水、葉、氷、心、火、銀、金が必要なのね。どうしたら、手に入れられるのかしら?銀も金も、簡単に手に入る物じゃないわ。」

しずきは顔に手を当てる。

「全然わからないわ。もしかして、曜日のことかしら?」

私は聞いた。

「しずき、これのどこが曜日なの?」

っていうか、水、火、金しか曜日じゃなくない?

しずきは紙を取り出す。

「光は日、水はそのまま、葉は木、金はそのまま、銀は月、火もそのままでいけるわ。」

私は反論する。

「じゃあ、心と氷は?」

しずきは考え込んでしまう。

「そ、そうね…………氷は水と一緒に含めるんじゃない?」

すると愛美が突っ込みをいれる。

「じゃあ、心はどうなの?しかも、何かを排除しないと、曜日を表してるんだとしたら一週間が8日になっちゃうわよ。」

いつも成績が学年トップのしずきにも、この返答には困ったみたい。

「う~ん、だったらやっぱり、他のことなのかしら?」

するとさいとがパソコンのキーボードを叩き始める。

画面を見ると、「昔の一週間は何日?」と打たれていた。

さいとはエンターキーをカシャッと押す。

さいとは困ったように言う。

「昔の一週間の曜日は今と同じだったよ。昔のカレンダーを調べたらわかると思ったけど、無理だったみたいだね。」

カレンダー?

わかった!

私は、鉛筆を手に取ると、さらさらと書き込み始めた。「2月;心 3月~5月:日、木 6月~8月:火 9月~10月:金 11月~1月:氷水」。しずきはそれを見て眉をひそめる。

「何それ?」

私は自分の推理を発表する。

「2月の行事といえば、節分とバレンタイン。節分はお話星では心を鬼から守るため、とも言われてるの。地球っていうところは違うけどね。そして、バレンタイン。バレンタインは、恋の日。ホワイトデーもあるけど、発明者は女の人だからたぶんバレンタインを選んだと思う。そして、恋はハートで表されるの。ハートは、心っていう意味も持っている。まあ、心臓っていう意味もあるけど。だから、2月は恋の季節。」

しずきは首をかしげた。

「2月はわかったわ。でも、3月~5月はどういう意味?」

私は応える。

「春になると、草が育っていく。だから、木。あとの日は、動物たちが日の光のように活動し始めるっていう意味。6月~8月は、火。夏は、ものすごく熱いから、火。」

さいとは紙を見ていく。

「でも、この秋の間の金は?」

私は自信たっぷりで返答する。

「それは、秋には紅葉するから。秋は、イチョウや紅葉が混ざって金色みたいになる。11月は水。この時点では、凍っていない。12月~1月は、大地が氷におおわれる。」

すると愛美が書類を書きながらいった。

「でも、月は?」

私は、

「月は、何月なのかを表すときに出てきているから、多分実際には使われていないと思う。まあ、もし当てはめるなら…………」

と言って紙に書き始めた。

「2月;心 3月~5月:日、木 6月~8月:火 9月:月 10月:金 11月~1月:氷水」。

すると奈菜がペンを休めずに言う。

「何で、9月に月が当てはまるの?」

すると、口を開きかけた私の代わりにしずきが質問する。

「じゃあ、9月にする行事って何だと思う?」

愛美と奈菜はいっせいに顔を上げる。

「お月見ね!!」

すると、さいとが納得いかないようにつぶやいた。

「でも、それのどこが呪いの杖の解決法になるのかな?」

うっ…………

忘れていた。

しずきは頷く。

「たしかに…………そのカレンダーだけわかっても、何の解決法にもならないわよね。」

私は何とか推理があってることを証明しようとする。

「で、でも。もしかしたら、呪いの杖が出てくる期間がわかるかも。」

愛美は首を振る。

「でも、一定でその期間なら、インターネットでわかるんじゃない?なにか決まりがあるなら、それに目を付けた人がいるはずよ。しかも、呪いの杖でもさすがに1日で人を呪うことはできないと思う。」

う、やっぱり不正解だったかな。

すると、さきが叫ぶ。

「ああっ!この人…………」

私達は、さきの方に突進する。

パソコンの画面を見てみると、そこには前に解決した事件の犯人の写真が載っていた。

そこをタップすると、詳しいことが書いてあった。

「この前、〇〇小学校で教師になりすましていた男が、刑務所から脱出しました。今、警察官が捜査していますがいまだに男の行方はつかめません。」

なっ…………

脱走!?

しずきは顔を青くする。

「脱走したってことは、また何かやらかすかもしれないわ。」

するとさきが首を振った。

「違うの。本当に怖いところはそれじゃなくて…………その男が持っている杖なの。」

私は、男の杖を見てみる。

その杖からは、写真を見てもわかるくらいのまがまがしいオーラを放っていた。

「これは呪いの杖…………?」

愛美が呆然とする。

さきはうなずく。

「たぶん…………念の為、この写真をコピーしておくわ。手がかりになるかもしれないし。」

リンティはレーダー機械にプログラムを打ち込んでいく。

すると、部室のドアが、ガラリと開く。

そこには、息を切らしたそみことまさもがいた。

「キミコ、前回倒した敵って捕まえられたんですよね!?」

そみこが叫ぶ。

私は

「そみこ。その犯人…………脱走したの。それで、呪いの杖の持ち主になっていて…………」

と情報を教える。

すると、そみこもわけを教えてくれた。

「私、図書室でまさもと一緒に調べていて…………そうしたら、七不思議探検事件の犯人の気配が感じたんです。それで、気配がした方を向いたら、その何者かに襲われてしまいました。」

しずきは考え込む。

「そみこの話が本当だとしたら…………あの犯人がここの学校の中にいるのは間違いないわね。」

そみこは、ブレスレットを操作した。

すると、古びたボロボロの本が出てきた。

そみこは手袋をはめると、それを慎重に置く。

「ここに、手がかりがあるかもしれません。さっき、図書室の先生に聞いたんです。『呪いの杖っていう杖のことを調べたいんですが、その本ってありますか?』って。そうしたら、この本を取り出してきてくれたんです。」

私は、表紙のところを見てみる。

真ん中には真っ黒な杖が浮かんでいる。

こういうイラストでさえ、不気味に感じてしまう。

タイトルってないのかな?

するとそみこはギュッと本を手で押さえる。

そみこらしくない。

いつものそみこだったら、絶対にそんなこと、しないのに。

「本は大事に!一切傷を付けないでください。そして返すときには、本にお礼を言って、神様に『ああ、神よ。この本を私に授けてくれてありがとうございます。』と心からお礼してくださいね。」

とかいってるもん。

最後の、「返すときには、本にお礼を言って、神様に『ああ、神よ。この本を私に授けてくれてありがとうございます。』と心からお礼してくださいね。」っていうのは、意味不明だけど。

そみこは、本を押さえつけていた手をそっと外す。

本の表紙に、何か書いてある。

見てみると…………

それはタイトルだった。

「呪いの杖」と書いてある。

そみこは平然と言う。

「本にはかわいそうですが、私はあぶり出しという方法をやってみたんです。あぶり出しは、温めると字が浮かんでくるという暗号の1種です。」

本にはかわいそうって…………

本には気持ちがあるわけじゃないと思うんだけど。

すると、リンティが機械から手を離した。

「できたわ。これで、あの男を追跡できる。」

私はリンティから機械を受け取る。

そみこは、本を持っている。

しずきは、全員分の杖を持ってくれた。

リンティとさきはプログラムの組み立てがいつでもできる状態だし、奈菜や愛美も武器を持っている。

もう、愛美も奈菜も守ってもらうほうじゃない。

もちろん、優先的に守るのは奈菜と愛美だけど。

でも、2人とも運動神経がよくなっている。

私達が必死になって守らなくても大丈夫そう。

さいとも暗号を解こうとシャインと頑張っている。

きっと、大丈夫。

どんなに強い敵でも、私たちなら絶対に倒せるはず。

よ~し、追跡スタート!

だれにも、けがはさせない。

みんなを、学校を…………私達の手で、守りきるんだ!

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第3章:追跡開始!

敵を追っていると、体育館に着いた。

そみこはブレスレットに本をいれ、自分の杖を手に持つ。

私も杖をベルトに挟み、鉄の棒を握りしめる。

やっと、敵のすぐ側に近寄ることができた。

敵は、辺りを見回し、歩いている。

敵は、舞台に上がる。

私はすぐにマットが置いてある場所に隠れる。

敵は、舞台のカーテンの方に歩いて行く。

マットから出てきても大丈夫そう。

私は舞台の方に上がると、ゆっくりと歩いて行く。

敵は、階段を上っていく。

そして、私の方を見る。

っ!!

私は敵が瞬きする瞬間に、カーテンに飛び込んだ。

敵は独り言を漏らす。

「さっきあのガキ達が見えたような気がしたが…………気のせいか。」

も、もしかして気づかれた!?

心臓がドクドクと鳴っている。

そみこの目が、私に言っている。

「そんなギリギリまで近づくから、そうなるんです。」

すると、敵がしたの方に下りてくる。

私は、カーテンのところにしっかりと隠れる。

けれども、私が歩いた重さで床がギシッときしんでしまう。

敵は,カーテンの方に来る。

もう、ダメかもしれない。

私は、息を吸い込む。

そして、いつでも攻撃できるように構える。

すると、敵が叫ぶ。

「そこにいるのは誰だ!!」

もう、気づかれている。

私は、姿を現す。

「私はさし川キミコ、探偵部の部長。あなたを尾行してきたの。」

敵は、その言葉を聞いた瞬間に私に呪いの杖を向けてくる。

すると、私の体はあっという間に縛られ、檻のところに閉じ込められてしまった。

敵が檻に手をかざすと、檻は小さくなり、男の手に収まった。

男は箱に私を入れると、階段を上がっていった。

どうしよう、捕まえられちゃった。

私は、檻を蹴ってみた。

すると、首元にナイフが突きつけられた。

横を見ると、壁から手みたいな物が伸びていて、ナイフを握っている。

私はしばらくジッとする。

すると、ナイフはなくなった。

こんな所でぼんやりしてないで、敵に反撃しなくちゃ。

ぼんやりしてたら、なんか悪いことが起きちゃうかもしれない。

私は、頭の中で作戦を立てていく。

こういうのは苦手分野なんだけど、作戦を立てなくちゃここから脱出することはできない。

よし、立てれた。

私は敵に話しかける。

「あなたの目的は何?」

敵は応える。

「おまえの知ったことじゃない。」

声はちゃんと聞こえるし、届いている。

なら、この作戦を実行できる。

作戦1,縄から脱出する。

作戦2、大声で叫ぶ。

作戦3、檻を揺らす。

作戦4、敵が箱を落としたら、素早く脱出する。

作戦5,敵の手が届かないところまで逃げる。

よし、作戦1実行!

私は縄抜けする。

すると、ナイフが突きつけられる。

私は、大声を上げた。

「ここから出せ―――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!」

私はさっとしゃがむと、ナイフをかわし、檻を揺らす。

グラグラグラ。

ドスンッ。

すると、運がよいことに檻の鍵が開いた。

私は檻から脱出し、敵から逃げる。

敵は呪いの杖を向けてきた。

すると、私の体がずるずると引きずられていく。

何か、つかめる物はない!?

カーテンならあるけど、だいぶ離れてしまっている。

私は体育館の柵に飛びついた。

そみこ達は!?

後ろを向くと、敵はだいぶ近づいていた。

でも、その後ろにそみこ達がいる。

私の体はもう九十度くらい浮き上がっている。

これじゃあ、抵抗もできない。

すると、そみこ達がいっせいに魔法を放った。

私も一緒に魔法を放つ。

すると、虹が浮き上がった。

そして、その虹は呪いの杖へとまっしぐら。

これなら倒せるかもしれない。

そう思っていると敵は呪いの杖の力を借り、浮き上がっていた。

でも、風は弱くなった。

そみこ達は、こちらに来る。

すると、敵が呪いの杖を向けてきた。

私達は後ずさりする。

例え私が死んだっていい。

絶対にこの学校を、この町を守ってみせるんだ!!

探偵部の名にかけて。

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第4章:危険な賭け

でも、もしかしたら「あれ」が使えるかもしれない。

視線の先には、カーテン。

地面には届かないけど、ターザンロープのようにしたら、カーテンのレールを渡って向こうの方までたどり着けるかもしれない。

この二階は一方通行。

向こうに渡るには、この方法しかない。

かなり危ないけど、きっといけるはず。

私は作戦をみんなに伝える。

こっちは10人。

人数が多すぎて、時間が足りない。

なら、大人数で行った方がいいはず。

でも、うまくいかなかったら死んでしまう。

私はみんなに

「カーテンは五人ずつ乗ろう。」

と言った。

そして最初に行くのは冒険の経験が短い、奈菜、愛美、シャイン、リンティ、さき。

後に行くのは、冒険の経験が長い、私、しずき、そみこ、まさも、さいと。

私達は、奈菜達を守らなくちゃいけない役割がある。

「行って!!」

私は叫ぶ。その瞬間、奈菜、愛美、シャイン、リンティ、さきがいっせいにカーテンを掴む。

私達のこり組は、思いっきりカーテンを押した。

カーテンは、天井のレールを滑っていく。

敵は驚きに固まり、すぐには反応できない。

今のうちだ!!

私は敵の手を叩き、呪いの杖をたたき落とした。

けれども、呪いの杖は普通に敵の手に収まる。

すると、敵の目がいっそう攻撃的になった。

目が炎のような憎しみにおおわれている。

すると、私達に泥みたいなのがまとわりついていく。

向こうのチームは!?

奈菜達はもう、あちら側にたどり着いていた。

そして、心配そうにカーテンを見ている。

あ。

カーテンであっちに行く方法は考えてたけど、カーテンをこっちに戻す方法を考えていなかった。

カーテンは誰かが上の方を掴んでくれないと、レールを滑ったときに開いてしまう。

しょうがない。

私は叫ぶ。

「一人乗って、こっちにきて!!」

すると、さきが乗ってくる。

けれども、押す力が足りなくてさきは途中で止まってしまった。

さきの顔が青くなる。

どうしよう!

こちらも、もう強い風を吹かせられている。

そうだ!!

私は、なんとかさきの方向に向かって体の向きを変える。

敵は、私を狙ってくる。

でも、遠くのカーテンには届かない。

さきの手も、カーテンからずり落ちてしまいそうだ。

私は、柵の上に体をのっける。

怖いけど、これしかさきを救う方法はない!!

私は、柵から手を離す。

ビュウウウウウウッ。

風の圧力で私はさきの方へぶつかっていく。

ほんの一瞬のことがゆっくり見える。

これが、飛ばされたときの感じ方かな?

でも、たぶんさきの方まで風は来ない。

だから、私は途中で落ちてしまうと思う。

でも、もし、できたら…………

けれども、私の体はさきよりも少し離れた位置で落ち始めてしまった。

「キミコ――!!!!!」

さきの悲鳴が聞こえる。

そして。

さきが動いた。

ダメ、さきまで死んじゃう!!

さすがの私も、この高さから落ちて助かるということはほぼ不可能。

すると…………

ガシッ。

さきが足にカーテンの一部を引っかけ、こちらに腕を伸ばしてきた。

私は、さきの手をギリギリで掴む。

さきの手は、焦りと怖さで大粒の汗が浮かんでいた。

でも、そんな滑りにくい手だって、私ならきっといける。

そう思ったとき。

ビュンッ!!

すぐ横を、竜巻が通り抜けていった。

え?

そう思い、後ろを見ると、さきが足を引っかけているカーテンの一部が竜巻で飛ばされていた。

やばい。

落ちちゃう!!

すると、しずきたちがいっせいに向かってきた。

そんなことしたら、しずきたちも死んじゃう。

私はありったけの、人生で1番の大声を出した。

「だめ!!!!!!!しずき!!!!!!!」

けれども、しずきたちはもう宙を飛んでいる。

すると、さきがカーテンをギリギリのところで掴む。

敵はまた、そこを狙ってくる。

するとさきは、プロペラミキサーを放つ。

よほどさきの決意がこもっていたのか、竜巻は他のに比べて大きい。

体育館の柵を壊し、敵に近づく。

けれども、敵はそれよりも大きい竜巻を出し、私達の竜巻を消滅させてしまった。

そして敵はその竜巻を使い、レールの上の部分を狙ってくる。

そこを狙われたら、私達全員が落ちてしまう。

しずきたちもつかまつる物がなくて、死んじゃう。

私は全力でしずきに手を伸ばす。

でも、しずきたちの腕がずり落ちてしまう。

すると、私達に向かってプロペラミキサーが向かってくる。

そして、しずき達を下から引き上げてくれた。

「さき…………絶対に、手を離すんじゃありません、よ…………」

そみこが途切れ途切れに言う。

そうだ。ここで、さきと私がしっかりしなくちゃいけない。

しずきたちを。

そみこ、まさも、さいとを守るために。

私とさきが、それをやり遂げなくちゃ。

このそみこの必死な思いは、さきにも伝わったみたい。

さきは大きく息を吸うと、カーテンを電光石火の勢いで上り始めた。

そして、私達はやっと引き上げられた。

ん?

そみこが必死に拳を握りしめている。

そみこ、うつむいちゃってるんですけど。

って!!

私達、向こう岸に行かないといけないの、すっかり忘れていた。

すると、敵が呪いの杖をこちらに向けてきた。

「一歩でも動いたら、この杖でおまえを本気の力で呪ってやる。」

どうしよう、このままカーテンを掴んでいたら、体力が持たない。

カーテンもいつか破けてしまう。

というか、6人も乗れるカーテンって…………

どんんだけ力を持ってるの、このカーテン。

すると、そみこがベルトから銃を取り出した。

これは…………「強力ビーム銃」。

相手にけがさせちゃうから、使用は控えている。

そみこだって、ビーム銃はあまり使わないようにしていたし。

でもそれを使うってことは…………

そみこがすごい、怒っているということだ。

まあ、通常は怒っても使わないけど。

そみこはビーム銃を敵に向ける。

その栗色の、いつもはほんの少しカリカリ感じさせるその目は…………冷たい光を宿らせていた。

普通なら、あんな目をしない。

そして、冷たくて…………猛烈な怒りが宿っていた。

そみこは、敵に向かって引き金を引く。

ビュン!

敵が反撃する間もなく、ビーム銃は男の手に当たる。

「くっ…………」

男は、顔を一瞬歪める。

そして、そみこは安心したようにこちらを向く。

あの冷たい瞳は、跡形もなく消え去っている。

今は、私達にしか見せない表情をしている。

いつもは。

いつもは、モデルの仕事であっても、クラスの中にいる間も。

厳しい表情や仮面のような表情をしているから。

モデルの時の笑顔も、今の私にはわかる。

あれは、本当の笑顔じゃないってことを。

偽物の笑顔だって。

本物のそみこじゃない。

そみこは、本当は自分の弱いところを隠して、強い心を見せようとしている。

辛いことがあっても、仕事に師匠を出さないように、無理矢理記憶をなくしている。

心の中に、いろいろな記憶をためて。

他のことを精一杯やっている。

そみこは、ほとんど毎日モデルの仕事をやっている。

その時にあった嫌な記憶も、きっと心の中にため込んでいるに違いない。

そんなそみこを、森冒険に連れてきてよかったかもしれない。

森冒険に行かなかったら、ついに爆発してしまっていたかもしれないから。

嫌な記憶は、なかなか忘れられない。

どんだけ、忘れようとしても。

いつまでも、さなぎのようにくっついて、離れてくれない。

私にも、嫌な記憶はある。

でも、そみこみたいな状況じゃない。

そみこは毎日毎日、モデルの仕事をやって、家事をやって、探偵部の活動を頑張って、学級員のつとめも果たしている。

いくら、私が探偵部の部長だっていっても、そみこに頼ってしまっているところも大きい。

それが、どれだけのプレッシャーになっているのか。

私は考えもしなかった。

そみこは、ただ叱っているだけで、ストレス発散できるって思って。

そみこは、本当は…………嫌な記憶を心の奥底にため込んで生きている。

いつか、爆発しちゃうかもしれない。

ううん、いつ爆発してもおかしくない。

そういう、ギリギリの所にそみこはいるんだから。

その分、私達が助けてあげなくちゃいけない。

今日、そみこのことを話し合おう。

きっと、そみこの苦しみをみんなに分けられるはず。

すると、そみこが扇風機を取り出す。

めっちゃでかい扇風機なんだけど!!

そみこは真面目な顔で言う。

「これで、風が起こせるかもしれません。」

ぶっ。

私は思わず吹き出す。

そみこ、扇風機なんかで動くわけ…………

ギューン!!

さっき、全然動かなかったのがうそみたいにカーテンが進んだ。

私は、軽々とジャンプし、体育館から逃げ去る。

しばらく経ってから後ろを見てみると、敵はついてきてなかった。

しずきは屋上に向かっていく。

「屋上が一番安全よ。他の人も巻き込まないし、敵の目も欺けるし。しばらくは休憩できるわ。」

そして、屋上に着くと…………

敵が壁により掛かって待っていた。

そみこは、声を絞り出す。

「わ、私達は、あなたの姿を見かけませんでした。しかも、体育館を出たときから足音はしませんでしたし、どうやってここに来たんですか?私達よりも前につくなんて、不可能です!!」

敵はにやりと笑う。

「残念だったな。その答えはあっていない。この杖はワープすることもできるんだ。」

これはかなりの強敵。

どうしよう。

するとしずきが私に伝える。

「キミコ。杖よ。」

は?

私はしずきの行っている意味がわからなくて、一瞬まぬけな顔になる。

あ…………

あああああああっ!!!!

私は、やっと物事が繋がり、跳び上がる。

よーし、せっかくの推理、かっこよく済ませるぞ!!

「さあ、推理を始めよっか…………黒き杖を清めるために…………」

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第5章:幻の魔法

「お、お前…………推理なんか、必要ないだろ!!この勝負は俺の勝ちなんだから!!」

敵が叫ぶ。

私はキッパリと言う。

「そんなわけない。私達にだって、勝算はある。この学校に『幻の杖』があるのは知ってるでしょ?」

敵は叫ぶ。

「そんなこと、今は必要ない!!だいたい、そんなのは私だって知っている。」

私は

「なら、話は早いね。その幻の杖って、光、木、火、水、氷、銀、金、心が集まった物なの。」

と言った。

敵は自信満々に

「そうだ。当たり前だろう。」

と胸を張る。

私は自分の杖を手に持った。

「その光、木、火、水、氷、銀、金、心って私達の杖がモチーフなの。きっとね。」

敵は、初めて後ずさりする。

「ま、まさか…………」

「そう。私は光、しずきが水、そみこが木、まさもは火、さいとが氷でさきが心。シャインは銀。リンティは金。これが合わさった物が幻の杖なの。」

私は自信満々で言う。

ここまで来て、まちがってるわけがない。

きっと、あってるはず。

私は、本を開く。

これは、魔法の本。

かなり使い込んで汚れているけど、これを手にすれば魔法の使い方がわかるはず。

敵はまだびっくりして動けていない。

よし、頭に入った!!

私達は、いっせいに杖のさきを合わせた。

敵は呪いの杖をぎゅっと持つ。

でも、何も抵抗できない。

そう。

この幻の杖を召喚している最中は、邪魔できないようになっているんだ。

すると、それぞれの杖から、いろいろな物が出てきた。

私からは光が。

しずきからは水が。

そみこからは葉が。

さいとからは、氷が。

さきからは、ハートが。

リンティからは、金色の光が。

シャインからは、氷の結晶が出てきている。

そして、杖を離すと、そこにはすごく美しい虹ができていた。

燃えるような赤。

輝くような黄色。

癒されるようなピンク色。

今にも葉のざわめきが聞こえてきそうな緑色。

キラキラと輝いている銀色と金色。

見るだけで心が洗われるような水色。

そして、その七色をさいとの氷のような透明な膜が囲んでいる。

しばらくすると、さいとの力が吸い込まれていった。

すると、虹はさらに透明感が増し、キラキラと光ってきた。

そして、キラキラが最高度に達し、目を開けてはいられないようなまぶしさになると虹は姿を変え始めた。

杖の形だ。

そして、私の手に杖が収まる。

杖には、見事な虹が渦巻いている。

すると、手に力が駆け巡っていった。

敵は、逃げようとした。

私達の、幻の魔法。

見せてあげるっ!!!

私は、呪いの杖に幻の杖を向けた。

そして、ぎゅっと念を込める。

すると、渦巻く虹が敵の方へ襲いかかってきた。

敵の手から、呪いの杖がカランと落ちる。

その杖はだんだんと丸くなり、玉になった。

私は玉を持ってみる。

玉はずっしりと重かった。

でも、呪われそうな感じはない。

すると、愛美と奈菜が言った。

「私達、呪いを清める儀式をするのが上手なの。だから、私達に任せて。キミコ達も、援助お願い。」

よし、あとはこの玉を清めればいいね。

すると、さきが言う。

「後は、玉を清めて、この学校のどこかにあるほこらに入れないといけないわね。虹色の杖も玉に変化させて。」

えっ。

ちょっとさき、今めっちゃ変なこと言ったような…………

「さき、今…………『学校のどこかにあるほこらに入れる』とか『虹色の杖を玉に変化させる』とか言わなかった?それっていったいどうやるの?」

さきは私の質問に肩をすくめる。

「呪いの杖が二度とよみがえられないようにするには、そうしなくちゃいけないらしいけど。」

げっ。

めんどくさい。

するとそみこがギロりとこちらを向く。

「…………今、キミコまさか、『めんどくさい』とか思ってるんじゃないでしょうね?」

ず、図星。

私は慌ててごまかす。

「あ、あはは…………『めんどくさい』なんて思ってないに決まってるでしょ。」

そみこは怪訝な顔をしていたけれど、探偵部の方に歩き始めた。

きっと私達の特技を使って、この学校を平和にしてみせる。

どんなことがあっても…………

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第6章:清められた杖

部室についた私達は魔法の杖を取り出す。

黒い玉には敵が封じ込められていた。

私は玉を机に置く。

すると、奈菜と愛美が杖を操作する。

すると、二人の服装が変わった。

二人とも、花柄の着物を着ている。

そして、杖を黒い玉に向ける。

そして、叫んだ。

「「清らかな光よ、穢れがあるものを清めたまえ!!」」

息ぴったり。

そう思っていると、奈菜が本を取り出す。

「魔法の本よ、清らかな光を生み出し、穢れがあるものを中に取り込め!!」

そして、愛美はトランペットを取り出した。

そして、魔法の言葉を叫ぶ。

「優しき音楽を生み出すトランペットよ、穢れがあるものをからめとり、魔法の本の中に運びたまえ!」

そして、二人同時にくるりと一回転する。

すると、愛美のトランペットからきれいな光が飛び出す。

そして、奈菜が私たちに言う。

「みんな、愛美の光に杖をを向けて。」

私は光の杖を向ける。

すると、愛美の光は虹色になる。

その光は、玉の方に動き出す。

すると、黒い光がその虹色の光を防御した。

そして、光を見事にからめとり、全部黒くさせてしまった。

しかも、その黒い杖は私たちに向かって伸びていく。

うっ。

私は見事にからめとられる。

そして、床に倒れこむ。

抵抗するけど、だんだんと玉の方にひきづられていってしまう。

ふつうのロープと違ってこれはしっかり巻き付き、どこからほどけばいいのかもわからない。

他のみんなも、床に倒れこんでしまっている。

一人を除いて。

その一人は愛美だった。

愛美は細い定規を巧みに操り、どんどん玉からのびる糸を切っていく。

そして、フルートを取り出す。

愛美は、フルートを吹く。

優しい、きれいな音色があたりに響き渡る。

そして、フルートの両端から光が伸びていく。

でも、それは簡単に消されてしまう。

それでも愛美はフルートを吹く。

その両目から、涙が零れ落ちる。

その涙はフルートに当たり、吸い込まれていった。

すると次の瞬間、無数の光の線が現れる。

それは辺りに伸びていき、やがて黒い玉の方に向かっていった。

愛美の涙は、どんどん零れ落ちていく。

やがて、光の線はグラデーションに変わっていった。

もしかして、愛美の力?

数えることすらできないような光の線が、黒い玉に向かっていく。

黒い玉は真っ黒な光を通さない線を放ち始める。

お互いに線は巻き付き、消されながらも戦っていく。

愛美の周りには自然に守備結界ができ、黒い糸を寄せ付けない。

すると、愛美の顔がきりっとしたものになる。

すると、今までは青や紫、白、水色だった光の線が赤のような情熱の色に変化した。

その色は黒い玉に巻き付く。

こんどこそ、うまくいって……

もう、私は玉に触れそうになっている。

でも、黒い玉はまだ少しだけ黒い糸を放っている。

そしてついに、私の手が黒い玉に触れた。

そして、私の意識は途切れた。

最後に、吸い込まれえるような感覚を残して……

ふわり。

気が付けば、私は痰ン底部の床に倒れていた。

めまいを感じてしまう。

「私……どうしたの?」

すると、しずきが教えてくれる。

「キミコはね、呪いの玉にに触れてしまったの。それで、敵がいきなり出てきて……それで、敵は警察に捕まったの。どうやら、この玉は誰かが触れたら新しい人が取り込まれ、古い人は出されるみたいなの。それでね、奈菜が身代わりになるっていって飛び込んじゃったのよ。魔法の本を残して。」

机を見てみると、そこには本が一冊置かれていた。

奈菜が使っていた、魔法の本。

私は、魔法の本を開く。

すると、瞬く間に黒い玉が吸い込まれる。

その瞬間、ノートが光った。

見てみると、そこには奈菜が普通に立ってた。

「な、奈菜っ!!」

私は、奈菜に抱き着く。

涙があふれだして止まらなくなる。

「奈菜、大丈夫なの?」

ようやく腕を外し、私が聞くと奈菜はにっこりと笑う。

「全然、大丈夫。」

よかった。

するとシャインが落ち着いた顔で言う。

「さあ、呪いの玉を入れに行きましょう。」

よし、探偵部呪いの杖事件で最後にすること。

この玉を、祠に入れるんだ!

奈菜はなぜか屋上に行く。

「奈菜?どうして、屋上?」

奈菜は振り返り、説明してくれる。

「人目を避けるためには、屋上が一番の隠し場所よ。だから、ここかなって。」

屋上に行ってみると、地面に床下に行く扉みたいなものがあった。

私は扉を開けてみる。

それは、祠だった。

私は、本から呪いの玉を取り出す。

あれ?

一瞬、幻を見ているのかと思った。

なんと、玉には真っ白な雪があったんだ。

ほこらには、あと4つ玉を入れる場所があった。

あれは、虹色の杖を入れるのかな?

私は虹色の杖を玉に替え、祠に入れる。

でも、あと3つもあるんだ。

多分、1つはピンク、1つは赤、最後の1つは緑だと思うんだ。

絶対に、見つけないと。

これが、次の探偵部の使命。

玉が全部揃ったら、どうなるか。

それはわからないけど、私たちはまっすぐ未来に向かって進んでいくんだから!!

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