キミコと探偵部の日々

第1章:勉強なんてしたくない!

 私、キミコ。この前の「キミコと探偵部」を読んだ人にはひさりぶり、だね!まだ、キミコと探偵部を読んでいない人にはちょっと説明するね。主人公のキミコ、大親友のしずき、ライバルのそみこ、小学1年生になった頃、友達になったまさも。それから、最近知り合ったまさもの幼なじみ、さき。それから、私達の女の人みたいになりたいと努力している、やさしい私のクラスの男の先生、さいと。この6人で探偵部をつくったんだ。それで、しばらくしたら「ふうか」っていう、この星で一番かわいいとされている女の子が、私達に依頼してきてくれたの。ふうかは、怪しい男に追いかけられていて、それを私達は、頑張って解決に導いたの。ふうかは、途中から大活躍だったもんね。その時は、帰ったのが8時くらいになっちゃったけど。私達は、子ども達で暮らせるような寮(子ども達で家事を分担してやったりする所)があって、そこは学校の近くだから、すぐに家に帰れるんだ。だから、学校の下校最低時刻は5時くらい。さてと、おしゃべりはここまでにして。早速、私達の探偵部普段の日々を見せてあげる!

私達は、授業が終わって部室に行った。もう、部活が始まるのが待ちきれなくて、時計をチラチラ見たり、ボーとしてたせいで、算数の時間の先生に怒られちゃった。算数と体育はさいと以外の先生がやるんだよね。ああ、算数ってほんっと嫌い。でも、部活の時間が始まる今は超楽しい!でも、まさもの提案でちょっと部活の事件ファイルを家に持ってきちゃったりもしてるんだよね。今度謝らないと。今日は、私がしずきに勉強を教えさせてもらう日。家に帰ったら、自分の部屋で運動しまくるんだ!私の寮には、体育館も(なぜか)付いている。変な寮でしょ。よし。私の目の前に、「探偵部」という札が掛かっているドアが現れた。私はドアを開ける。そして、ドアを開けると…………まさもが普通に出てきた。えっ!?まさもは、私が教室を出て行くときにまだ残ってたはずだけど…………まさも、なんで私よりも先に着いてるの?まさもは、

「天使羽を使ってヒューって空を飛んできたんだ。今日は、ハロウィンでしょ。だから、どうせなら勉強と訓練を頑張った後、お化け屋敷をやろうかなって思ったの。それは、家でやるつもり。家ってけっこう広いから、屋根裏部屋とか使って、そみこを気絶させようよ!」

と言った。まさも、突っ込みどころが満載すぎて、まともに返事も返せないよ…………私は、まさもに聞く。

「まさも、学校に天使羽持ってきてるの?」

まさもはうなずく。

「事件が起こったとき、私が天使羽を持ってて、それで敵を捕まえられたらかっこいいだろうなあって。先生に1回ばれそうになったけど、まだ大丈夫。」

私は、また質問する。

「それから、お化け屋敷は何をやるの?」

まさもは、

「お化け屋敷でお化け役をする人は、お化け屋敷を見る人よりも先に帰って、準備をする。それで、携帯で『オッケー。』とか連絡したら、お化け屋敷にその人は行って、お化け役の人はお化け屋敷に来た人を脅かすっていう事をするの。それから、みんなでわいわいハロウィンパーティーをするんだ!そうだ、みんなでハロウィンケーキを作ろう!だから、今日は材料を買わないと!」

と言った。私は、手帳にメモする。

「今から、訓練や勉強をした後、お化け役をやる人は先に帰って、お化け屋敷を開く。それから、材料を買い、ハロウィンケーキを作り、みんなで食べる」

まさもは、

「よし、じゃあしずき、頑張って!」

と、自分と私しかいないのにそう叫んだ。え?そう思った直後、ドアの前にいた私の前に、ドアが開いてぶつかってきた。いたっ!私は頭を抱えてうずくまる。部屋に来たしずきは、驚いてかたまる。

「キミコ。大丈夫?」

私は、頭をさすりながらうなずいた。すると、ドアの外からわいわいと賑やかな声が聞こえてきた。そみこ、さき、さいとだ。私はドアのそばを離れる。そみこはやってくると、

「さあ、宿題と勉強、訓練をちゃっちゃと進めてしまいましょう!ハロウィンパーティーをやりたいのなら、頑張って勉強してください!」

と言って、席に着いた。私もいすに座る。そみこは、息をつくと、喋ろうとした。やばい、ちょっとでもあのスパルタそみこを妨害しないと!そみこが指示を出すと、とんでもないことになる。私はそみこよりも先に言葉を出した。

「そみこ、何で、ハロウィンパーティーの事を知ってるの?」

そみこは、指示を出すのをやめて、

「偶然、会話が聞こえたんです。だから、盗み聞きは良くないと思って、ドアを開きました。」

と言った。そみこ、盗み聞きが悪いからって、そこまでする必要なくない?そみこ以外、みんな呆れている。そみこは、ついに指示をする。うう、この時間が一番無理!というか、ほとんど無意味!そみこは、耳を思わず塞ぐ私の手を耳から離し、

「気をつけ!」

と言った。私達は、思わずピシッとしてしまう。そみこは、

「よろしい。」

とうなずくと、指示を始めた。

「しずきは、宿題と自主勉強用で私が作ったプリントをキミコに渡して教えてください。それから、今頑張っている読心術の訓練も!それは、宿題とプリントをやったあとでいいです。それから、まさもとさいと!その2人は、キミコがこの前リクエストしたテーブルクロスを作ってください!私は、みんなのサポートと事件ファイルの整理をします!さきは、ネットで私達が解決した、あのふうかの事件の情報を削除してください。もしかしたら、ただ者ではないとわかってしまうかもしれません!」

あれ、いつもよりも長くないかも?もしかしたらそみこ、ハロウィンパーティーをやる時間を作ってくれているのかも。私はそう思いながら、宿題に取りかかった。しずきは、問題を声に出して読む。

「問題一、12445÷5512、問題二、3.4×54」

うう、難しそうな問題。私は、筆算を始める。この位は、おろして…………もう意味分かんない!そして、数字との苦闘の末に、やっと問題四までいった。まだ後、宿題プリント一問とそみこのプリントを解かなきゃいけない。もうやだ。しずきは、私にいろいろ教える。

「ここの位は割ることができないでしょ。だから、もう一つの位を一緒にして考えて。それで、それを割ると、どうなるの?キミコ、これくらいならわかるでしょう?」

私はげんなりしながら返事をした。

「割り算が苦手なのは知ってるでしょ…………」

しずきはため息をつき、とんでもない事を口にした。

「しょうがないわね。そみこにプリントを毎日つくってもらうわ。」

私は慌てて叫ぶ。

「それだけはやめて!プリントがそれ以上増えれば、私、頭が爆発するかも!」

それを運悪く、近くにいたそみこが聞いてしまった。そみこは、私のプリントをのぞき込むと、にやりと私にとって不吉な笑みを見せた。そして、ゆっくりと言う。

「キミコには、毎日、割り算20問プリントを解いてもらいます!」

ぎゃああああああっ!!地獄!もう、楽しみにしていた部活の時間が、そみこのせいでぶち壊された!まさもは、笑いをこらえるのに必死。さきは、

「割り算、まだできてなかったの?」

とびっくりしている。さいとは、

「算数の先生は確かにきびしいけど。そこまでわからなかったとは思わなかったよ。」

と、呆れている。うう、割り算やだ!そみこは、リュックサックの中から分厚いドリル的な物を取り出した。

「この、『世界一難しい!3時間かかる算数問題集 これを全問正解できたら天才!』というドリルはどうでしょうか?私は、難しくて途中で諦めそうになりますが、とても楽しいです。それから、『あなたはどれだけページを進められるか!?リタイア人数ついに1000人を超えた!これが解けたら、あなたは算数大博士だ!』というのもオススメです。キミコ。一問、解いてみたらどうでしょうか?しずきは確か、ちょっと難しいレベルと言っていました。」

私は抗議する。

「ちょっと!そみこ、そんなドリル、私には絶対に解けないよ!あのね、私がもしこれを解いたら、もうヘトヘトになって、さらに算数が嫌いになって、勉強しなくなるよ!それで、成績下がるってこと。そみこ、私にわざと算数が嫌いになって欲しいわけ?」

そみこは言い返す。

「何なんですか!冗談も真に受けたバカは、もう算数を教えてあげられそうにもありません!」

私も負けじとそみこに言い返した。

「私はバカじゃないよ!私の成績は普通なんだから!それに、もう算数を教えなくてもいいもんねーだ。」

私は最後に舌を出し、そみこを睨む。そみこのこめかみに、怒りマークが浮かび上がる。

「キミコなんか、大っ嫌いです!もう、ハロウィンパーティーなんかやりませんからね!」

そみこは、部室を出て行こうとする。ハロウィンパーティーを中止にするなんて!それだけはやめさせなきゃ!私は、そみこの足に飛びつく。そみこは、悲鳴を上げて飛びすさった。

「キミコ!なんてことするんですか!やっぱり、バカですね!」

私は、無我夢中でそみこの足にしがみつく。

「お願い!ハロウィンパーティーだけは中止にしないで!」

そみこは、必死に抵抗する。

「ちょっと。何するんですか!離してください!」

私も精一杯しがみつく。その時、ずっと黙って私達のやりとりを見ていたしずきが叫んだ。

「いい加減にしなさい!!」

私とそみこはビクッとする。しずきは、そんな私達に構わず、言った。

「2人とも、いい加減にして!キミコはハロウィンパーティーをやりたいんじゃないの?そみこも、本当はやりたいんじゃないの?」

うっ、しずき、怒っちゃった。しずきは、怒るとこの中で一番怖いかもしれない。しずきは、私達を叱る。

「キミコ!永遠にそみこの足にしがみついてどうするわけ?そのまましがみついていたら、ハロウィンパーティーなんか1回もできないわよ!そみこも、そみこ。わざわざ、キミコに難しそうな問題集を出して、どういうつもり?そんな本気にしてしまいそうな冗談はやめなさい!キミコがさらに算数が嫌いになってもいいの?ライバルだけど、友達なんでしょ?そんなことやめなさいよ!もう、けんかするなら離れていなさい!みんなのために、わざわざテーブルクロスを作っているまさもとさいとが作業に集中できなくてけがするかもしれないでしょ!頑張って私達の情報を削除してくれているさきが、集中できなくて削除したデータを、また全部復元させちゃったら、誰のせい?全部、キミコとそみこのせいになるのよ!それでもいいの?」

うう、私とそみこは顔を見合わせる。しずきは、最後に一言で締めくくった。

「そみこも、キミコも、仲直りしなさい!」

そみこは、黙っている。私も黙っている。こんな憎たらしいそみこに、先にごめんなさい、なんて言えないよ。そみこが言えば私も言うけど。しずきは、私達に言う。

「さあ、仲直りするの?しないの?どっちにするのよ?」

数秒、部室に沈黙が訪れた。そみこは、ゆっくりと口を開く。

「ごめんなさい。」

私もあやまる。

「ごめん。」

しずきはうなずく。

「さあ、もう仲直りしたわね?もうけんかしないの。さあ、キミコ。そみこのプリントを進めましょう。」

さっきのしずきと、態度がコロッて変わったんだけど…………私は、これ以上怒られなくてほっとした。そして、なんとかそみこが作ったプリントと宿題は終わったのだった。

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第2章:ハロウィンパーティーをしよう!

「はい。今日は、読心術の訓練をしますよ。キミコ、準備をしてください。今日は、ハロウィンパーティーの日なので、復習だけにします。それも、1回だけ。」

そみこが言った。私は、そみこの唇の所をじっと見る。そみこは早速、唇を動かす。

「…………」

うーん、難しい。あ、でも!私は、そみこが唇の動きを止めた途端、手を挙げた。私は答えを言った。

「トゲラとツーリーの大冒険!」

そみこは、言った。

「正解です。キミコ、次は、もっと難しい問題を出すので、覚悟してくださいよ。じゃあ、ハロウィンパーティーのお化け役の人は3人、そしてお化け屋敷に入る人は3人でどうでしょうか?」

切り替え早いね、そみこは。私は感心しながら言った。

「ねえ、じゃあ私は脅かす人がいい。それから、しずきとまさもも脅かす方の役になってくれる?その方が、バランスがとれるし。」

しずきは、

「そうね。じゃあ、そうしましょう。あと、もう一つ問題点があるわ。」

と言った。何?私が不思議に思うと、しずきが問題点を口に出した。

「問題点は、お化けの変装道具よ。ないなら、このお化け屋敷計画は無しにしなければいけないわ。」

まさもは、

「大丈夫!ちゃんといろいろ買ったり作ったりしてあるんだ。じゃあ、お化け屋敷に行っていいっていうときには、携帯でメッセージを送るから。」

と自慢げに胸を張って見せた。まさも、すごいたくさん計画立ててたんだね。まさもは、

「さあ、キミコ、しずき、準備しよう!」

と言って、ルンルンしながら部室を出た。そんなまさもをさいとは呼んだ。

「ケーキのレシピとか、材料とかは?」

まさもは

「レシピはお楽しみ!材料はまだ家にないから、お化け屋敷終わったら『らくらくフェルラン』に行って材料を買おう。もちろん、ちゃんとゴテゴテし過ぎないように気をつけるから。」

と応えた。まさも、何日も前からその計画をしてたのか。私は感動する。よし。ハロウィンパーティー、たくさん楽しもう!

ふう、やっと家に着いた。私は、まさもの部屋に行く。そみこ達には、事件ファイルの整頓、私達の情報削除をやってもらうことにした。テーブルクロスは、1枚完成!空色の背景で、きれいなツルがいる布を使ったんだ。もう一つは、まだ布が届いていない。まさもは、リュックサックから風呂敷を取り出した。何これ!?凄いきれいなんだけど!なんと、風呂敷の柄は美しい、バラの草原が広がっていたのだ。そして、全部お花が生き生きとしている。まさもは、

「これ、私が作ったんだ。自信作。」

と胸をはる。私は、風呂敷の中身を見てみる。そこにはカツラなどの変装道具がいっぱい。まさも、そういえば変装も結構得意なんだっけ。まさもは、すごい何もできなさそうに見えて、普段習わないような隠された技術があるんだよね。まさも、本当にマジシャンにピッタリ。まさもは、はりきっている。

「さあ、まずは、全員、お化けみたいなメイクにしてあげる。キミコは、ゾンビ。ゾンビ軍団を作りたいなって。だから、さきに作ってもらったVR用のめがねを掛けてもらって、仮想現実を見せるの。それから、しずきは貞子。髪の毛をだらってやって。私は、お岩さんやる!」

まさもは、私をゾンビの変装させた後、しずきの頭にカツラをかぶせた。そして、白いワンピースを着てもらう。まさもは、私にスプレーをシューッとかけ、全身黄緑にしてしまった。そして、私に、仲間のゾンビ集団に襲いかかり、口の中に含んだ血のりをかみ切って、その血のりをたらーっと垂らせるといういかにも恐ろしい作戦を指示した。まさもは、

「やってみて。」

と言って、私に血のりの入ったビニール袋を渡した。まさもは、入り口に戻り、電気を消した。そして、めがねを掛けて私達のいるところにいった。まさもは、私の所を見た瞬間、

「ぎゃああああああっ!」

と叫んだ。私は、適当に近くにゾンビがいそうな空間にかみつく仕草をする。そして、その間に袋をかみ切り、たらーっと血のりの血を流した。まさもは、ゴーグルを外すと

「ああ、怖かった。今夜、夢に出てきそう。」

とため息を漏らした。それからは、入り口の飾り付け。私達は、カボチャのランタンを入り口のドアに飾った。まさもは、上のところにキラキラの長い紐みたいな飾りを付ける。もちろん、その色は紫とオレンジ!それから、クリスマスツリーを出して、まさもがオレンジ色のスプレーを吹き付けた。すると、もみの木はオレンジになる。そして、私達はそのクリスマスツリーをコピーして、2個つくり、それぞれドアの両端に飾った。よし。私は、ドアの所に蛍光灯をしかけた札を付ける。そして、ついにゴーグルの点検も終わり、あとはゴーグルのコピーとドアをカーテンで閉めるだけになった。カーテンの色は紫色。しかもそこにはオレンジ色のスプレーでカボチャの絵と、白色のスプレーでお化けの絵が描いてあった。よし。私が額ににじんだ汗を拭うと、まさもが

「じゃあ、そみこ達を呼ぶね。立て札はもう作ってあるから、あとは立てるだけ。キミコ、メッセージ送って。」

と言った。私は携帯でそみこに

「帰ってきていいよ。入り口の棚に置いてあるゴーグルを付けてね。怖くなったら、右に付いているボタンを押して。そうしたら、現実の映像が出てくるから。でも、効果が出るのは1回だけ。それ以外は効果が出ないから、気をつけてね。では、『ゴーストキャッスル(お化けのお城)』へ行ってください!」

と送った。ゴーストキャッスルっていうのは、まさもが考えてくれたこのお化け屋敷の名前。日本語だと、お化けのお城。私は、ゴーグルをコピーして棚に置いた。というか、これは引き出しなんだけどね。この引き出しは動くんだよね。私は、まさもに指定された場所に立つ。そして、そみこの携帯に付けておいたらしい、盗聴器みたいなのを追えるヘッドセットを私は付けた。これは、目の前に私しか見えない画像が現れて、今、そみこがどこにいるかわかるやつ。それで、これはしずきにもさきにも付けていて、私はそみこ、しずきはさき、まさもはさいとに盗聴器を付けている。そみこは、もうすぐ寮の所へやってくる。そして、そみこ達はお化け屋敷のところで立ち止まる。よし。私は、血のりを手に持つ。そして、そみこ達が扉を開く、ガチャリという音が響いた。私の家の所は真っ暗。電気は、ガムテープでちゃんと貼ってあって、動かないように固定してある。そみこは、壁をごそごそし始める。そみこは、スイッチの所にガムテープが貼ってあるのがわかったらしい。私の方に来ている。実は、2回にまさもが開けた穴があるんだよね。そこには、まさもがいて、不安にさせるような音をスピーカーから出し、火を付けた線香花火みたいなのを、紐で結び、ゆらゆらと揺らしている。私の方からは、人魂にしか見えないんだけど。次の瞬間、暗かったお化け屋敷のところで、絶叫が聞こえた。さきだ。

「きゃあああああっ!」

続いて、そみこの声も聞こえる。

「人魂です。近づかないでください!」

完全に人魂だと思っている。そうだ、あの薬を使えば、すごいゾンビのまねがうまくなるはず!私は、そっと引き出しから1つだけ薬の瓶を取りだした。そして、それを一気に飲みほす。すると、体がゾンビになったような気がした。声を出そうとすると、うなり声に変わる。これは、10分したら、効果が切れる。だから、お化け屋敷が終わる頃には効果が切れるはず。私は、ヘッドセットを外す。そみこ達が、やってくる音がする。私は、空の引き出しの中に隠れた。そして、そみこが

「ゾンビ!そんなのがこの世にいるわけがありません!って、なんでこんなにいるんですか!?ぎゃああああああっ!かまないでください!」

と叫んでいる。私は引き出しからでる。そして、(私にとっては)何もない空間にバクッとかみつく。そして、みんなに気がつかれないように血のりをかみ切り、口に垂らした。そみこはさらに叫び声を上げる。

「このゾンビ、仲間のゾンビにかみつきましたよ!その証拠に、血が口からでています。みんな、早くボタンを押してください!」

なるほどね。そのボタンは、一時的に私達が目に見えないようにしてくれるボタン。それを押せば、10秒くらい時間稼ぎをできるんだ。そみこは、早速ボタンを押したみたい。私は、そみこが気がつかないうちに目の前に行く。そして、そみこが目の前を見て叫んだ。

「ゾンビ!助けてください!」

私は、左にあるリセットボタンをこっそり押し、すぐに右のボタンを押した。1回、リセットボタンを押して次に右のボタンを押すと、目の前が数秒真っ暗になるんだ。私は、他の2人も、同じようにする。これで、時間は稼げた。私は、サッとまさもが開けた穴の所まで行き、まさもに引っ張ってもらって上に上がった。まさもは、私の体をタオルで拭く。すると、たちまちスプレーの色が消えた。そして、私にメデューサのカツラをかぶせ、指定した場所に連れて行った。私はこっそり、まさもが出て行った後にそみこの後を付けていく。すると、ぱっと電気が付く。そこには、しずきが貞子の変装をして、立っていた。しずきは、そみこを見つけるとすばやく進み、足を掴んだ。そみこは、

「この貞子って、もしかしたらキミコ!?」

と叫びながら、足を抜き、あわててまさもがいる部屋に駆け込んだ。まさも、頑張って!私は、しずきと一緒に着替えの部屋へ行く。そして、しずきにドラキュラの衣装を着せ、血のりが入った袋を渡す。しずきはその袋を持って、部屋に行った。私は、まさもに指定された場所に戻った。そして、そみこ達がここに来る。さいとは、

「さっきのお岩さん、本当に怖かったね。」

と言った。さきは、

「でも、私はゾンビと貞子、人魂全部が怖かったわ。リアルすぎない?もしかして、本当の幽霊が紛れていたりして。」

とかなり怖がっている。私は、3人の前に立った。そみこは、

「目をつぶってください!!!」

と叫んだ。そして、そみこ達は目をつぶって逃げてしまった。次はしずきがいる部屋。そして、私は残りの役、十三階段の十三階段目の階段の役割になっている。私は、変装を解いてグニャグニャした成分を貼り付けてある箱の中に入ってみる。よし、オッケー。入ろうとすると、まさもが来る。私は箱に入るのをやめ、まさもの方にいった。まさもは、

「キミコ、頑張ってね!私も足止めしているから。」

と言った。まさもは十三段階のそみこの足を掴む係。でも、その前に、まさもはこんにゃくをビタン!とそみこ達に当てる係がある。私は、もう十三階段で係はおしまい。しずきは、最後1階でろくろっ首の係になる。でも、着替えが終わったらすぐに1階へ向かわないといけない。そみこ達が先に着かない前に。そのために、足止め役の私とまさもがいるんだ。すると、ドタドタと廊下を走る音が響く。そみこ達だ!まだ、箱に入っていない!まさも、足止めして!すると、箱に入ろうとした瞬間、さいとの声が聞こえてきた。

「ぬるっとしたものがある!」

よし。ここまでは成功。私は、素早く箱に入った。一応、階段の所に立て札は立ってあるから、そこで足止めして、まさもはくればいい。私は、箱の蓋を閉めた。これで、オッケー。立て札は、できるだけ長く文を作った。その方が、そみこ達を足止めできる。すると、そみこ達の足音が止まった。まさも、早く!まさもは、天使羽を付けて、天井ギリギリまでの高さで飛んできて、階段の踊り場に着陸した。そして、私よりも離れたところでうつ伏せになって待つ。すると、そみこ達が階段を下る音が聞こえる。そして、背中にそみこ達の体重が乗ってくる。私は、痛みを我慢しながらそのまましばらく待つ。でも、私の背中を踏むとき、そみこ達の悲鳴が聞こえたから、たぶん怖がってくれている。まさもも、足止めして!すると、頭上で生暖かい風が吹く。そみこ達が、ビクッと震えた。まさもは、さいとの足を掴む。さいとはびっくりして、

「うわっ!」

と声を上げた。さいとも怖がらせることができた。私は、急いで箱から抜け出し、天使羽を付け、天井ギリギリの高さで1階に向かう。そして、しずきに

「もうすぐだよ。」

と小声でささやく。そして、天井に張り付き、気配を消した。そみこは、そのまま通っていく。よかった。私は、音を立てずにジャンプし、着地した。そみこは、悲鳴を上げた。

「ろくろっ首!やだ、助けてください!」

私は、そみこの後ろまで行き、言った。

「私、メリー。今、あなたの後ろにいるの!!!!!!!」

そみこは、びっくりして振り向く。私は、ペチン!とまさもが残していたこんにゃくをそみこの方に叩きつけた。まあ、これは計画にはなかったんだけどね。私が、急に思いついて実行しただけ。もちろん、そみこは、

「ぎゃああああああっ!」

と叫びながら逃げていった。こんな後ろであんな怖いこといわれて、逃げないわけがない。私は、肩をすくめつつも、気配を消した。そみこは、ドアをバンッ!と開け、はあはあ言いながら後ろを振り向く。私は、階段の方にジャンプして、身を隠した。ここで種が知られちゃったらまずい!そみこは、まだ怖がっている。

「い、今の、何だったんですか!メリーさんがいました!」

私は何気なく階段を降りてそみこに

「メリーさん?私はやってないけど。しずきも、まさももやってないよ。」

と言った。そして、そみこは

「本物の幽霊!」

と震え上がったのだった。

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第3章:おいしい料理を作ろう!!

あ~、そみこの悲鳴を聞けてすっきりした!私がニヤニヤ笑ってると、まさもが

「早く、材料買いに行こう!ちょっと待って。携帯でみんなに買って欲しい材料リストを送る!」

と言って、スマホを操作した。私は、スプレーで塗られた物を指さす。

「まさも、これ、ハロウィンパーティーが終わった後、私とまさもとしずきで片付けよう。そみこ達には十分驚いてもらったし。」

そみこは、まゆをひそめる。

「これって、もしかして絵の具で塗ったんですか?」

まさもは言い訳する。

「その、えっと、これはね、ある成分を振りかければ、すぐに落ちるんだ。」

そみこは、ますますまさもを疑う。

「最初の言い訳っぽい『その、えっと』って何ですか?まさか、嘘じゃないんでしょうね?」

まさもは、演技力抜群の才能を使い、また言い訳をする。

「おっ、そみこ、前よりも、推理力が上がってきたんじゃないの?ちょっと観察は上手になってきたね。まあ、推理はすごい下手だけど。」

そみこは、フンッとそっぽを向き、

「さあ、材料リスト送ってきてください。」

と言った。まさもは、送信ボタンを押した。すると、私達全員の携帯がいっせいに通知音をたてた。ピピピピ。これは、私の。それから、そみこのは、ジリリリと音を立てている。中でも、さきのはものすごいうるさい音楽が大音量で流れているんですけど。さいとの通知音は聞こえない。でも、よく耳を澄ませると、リンリンリンという鈴のような音が聞こえる。さいとは携帯の通知音をなくし、材料をチェックした。私が買うのはたまご2パック、生クリーム、牛乳、みかん、イチゴ、エディブルフラワー(食べられるお花)、ぶどう、シャインマスカットだった。うわ、もしかしてデザートに使うやつ全部任せられたの!?そみこは、小さな声でつぶやく。

「レタス、トマト、ニンジン、パプリカ赤と黄色、小松菜、ジャガイモ、キャベツ、レタスって、全部野菜じゃないですか。」

さいとの方を見てみると、牛肉、豚肉、鶏肉、ベーコン、サンマなどの肉と魚のコーナーに行く役割だった。しずきは、調味料。まさもは不公平なことに、サポート係だそうだ。さきは、何を買ったのか調べる役割らしい。いいなあ、2人とも。というか、一番楽なの、まさもだよね、絶対に。よし、買いに行こう、材料を!

 てくてく。私は、スーパーまで歩いて行く。それにしても、寮の近くにスーパーがあるなんて、最高!私は、携帯のリストを見る。たまご2パック、生クリーム、牛乳、みかん、イチゴ、エディブルフラワー(食べられるお花)、ぶどう、シャインマスカットだね。私は、生クリームと牛乳のコーナーに行く。この2つは、多分乳製品コーナーにあるはず。そして、牛乳と生クリームを買った。次は、近くにあるたまごかな?でも、私、ちょっとドジだから、たまごは割っちゃいそう。先にエディブルフラワーのコーナーに行こう。私がエディブルフラワーの所に行くと、色とりどりのお花があった。私は、その中でもとくに色がくっきりして美味しそうなエディブルフラワーを選ぶ。そして、次は、たまごのコーナーに行こうかな。フルーツは潰れちゃうかもしれないから、別のかごを後で取りに行って、カートの下の段に入れよう。私は、たまごをバスケットの中に入れる。そして、後はフルーツ。その時、前からまさもがやって来てシャインマスカットとぶどうをカートに入れてくれた。そして、エヘンと胸を張ると、

「どう?美味しそうなぶどうとシャインマスカットでしょ?」

と言った。たしかに、2つとも色がくっきりしていて、粒も大きい。そういえば、この前テレビでおいしいフルーツの見分け方番組をやってた。もしかしたら、まさも、それを覚えてたのかも。私はそう思いながらみかんの所に行き、適当にバスケットの中に入れる。その時、まだ私の周りをうろうろとなぜかうろついていたまさもが叫んだ。

「キミコ!美味しいやつが隣にあったのに、なんでとらないの!?」

ああ、まさも、いつまでここにいるんだろう。私はそう思いながら、右のみかんをとった。すると、まさもがまたしても注意する。

「それじゃない。その、左隣のみかん!」

私は、左隣のみかんを取った。すると、まさもがうなずいた。まさも、そんなに気にしなくてもいいのにね。私はそう思いながらイチゴのコーナーに行ってイチゴを選ぶ。まさもは、ちがうイチゴを手に取る。

「こっちの方がおいしいよ。」

私は、今手に取ったイチゴを棚に戻し、まさもが取ったイチゴをバスケットの中に入れた。よし、完了。私は、カートを引いてレジの方まで行った。すると、さいとが会計を済ませたところだった。私も、会計をしてもらうと、しずきのいそうな所に行った。しずきは、調味料のコーナーにいて、調味料を真剣に選んでいる。私は、後ろからしずきに呼びかけた。

「しずき。」

しずきはビクッとして、振り返る。しずきは。私だということにほっとすると、調味料をバスケットの中に入れた。そして、会計の所に行った。最後は、そみこ。そみこも、今から会計に行くところだった。よし、材料が買えた。そして、私達は仲良く帰ったのだ。

「はい、キミコはキャベツをみじん切りにしてください!それから、お肉をこねて、その中にキャベツを入れて、また混ぜてください。それから、具を餃子の皮の中に入れて、包んでくださいね。しずきは、調味料でソースを作ってください。それから、ポトフを作ります。キミコとしずき以外の人達は、ポトフを作りましょう。」

そみこの長い指示が飛んできた。ああ、めっちゃやることがある。うんざり。ハロウィンパーティーは楽しいけど。私は、キャベツを洗ってみじん切りにする。ザクッ、ザクッ。頑張って切るけど、やることが多すぎて頭の中に入らない!私は、しずきに作ってもらった調味料をお肉を入れてどんどんこねる。するとそみこは、

「ちょっとここ、狭いので、もう一つのキッチンに行きます。あの公共で使うキッチンのところに。」

と言った。私達の寮には、もう1人住んでいて、真ん中の廊下の突き当たりに、けっこうでっかいキッチンルームがあるの。私は、

「は~い。」

と返事をすると、そみこがパッと振り返って、

「ちゃんとやるんですよ!しずき、私達が呼ばない間は、どんくさすぎる、あわたでしいキミコのそばにいてください。」

と言った。どんくさすぎる、あわたでしいきミコって!ひどっ!!私はそみこに怒鳴る。「そみこ、ひどっ!悪口にも程があるよ!私に悪口を言うしかない、にくったらしい勉強頭には、文句言わされる筋合いはないもん!!私だって、やるときはやるんだからね!」

そみこが、カッとなり、私に文句を言おうとするとそれがしずきとさきが止めた。

「そみこ、今日はハロウィンパーティーでしょ。けんかしている場合じゃないわ。」

「しずきの言う通りよ。楽しいハロウィーンパーティー、けんかでなんか終わりたくないわ。」

そみこはフンッとそっぽを向き、

「さあ、まさも、さき、さいと!行きますよ!」

と言って、キッチンルームへ去って行った。私は、お肉をこねる。しずきがアドバイスした。

「美味しくなるように、心を込めてこねて。たくさんこねて、ネバネバになったら美味しくなるわ。こねればこねるほど、美味しくなるのよ。それから、私は玉ねぎも切るから、キミコは新しい調味料が必要になったらいってね。お肉をこねた後、キャベツを入れてまたこねるの。たくさんこねてね。」

私は、ぎゅっ、ぎゅっ、とこねていく。でも、思いっきり手を肉に押しつけたせいで、お肉が宙に飛んでしまった。しずきはびっくり。慌てて前に飛び出し、お皿を割りそうになってしまった。私は、後ろ向きにジャンプしてお肉を掴んだ。なんとかお肉をキャッチ。私は、一息つくとまたお肉をこね始めた。すると、お肉はどんどんネバネバになっていく。私は手を止めてしずきを振り返った。

「しずき、これくらいでいいかな?」

しずきは、小さく首を振った。

「もう少しよ。でも、だいぶネバネバになってきたんじゃない?」

もう、5分くらいお肉をこねているような気がするんだけど。私は、またお肉をこね始めた。そして、3分くらいこねると、しずきが

「もう、いいんじゃない?そうしたら、キャベツを入れるわよ。その後、玉ねぎも入れるから。」

と言った。私は、キャベツを入れて玉ねぎを入れた。そして、またこね始める。しずきは、厳しく

「キミコ、ちゃんとこねて!」

とかいろいろ注意してくる。私は、たくさんこねていく。このこねる作業、手が疲れるね。私はちょっと空想しながら、お肉をどんどんこねていく。しばらくするとしずきが

「良いんじゃない?もう。それからは、餃子を包む用意をするわよ。でも、ちょっとこの種類の餃子だと、飽きちゃうかも。」

と言った。私は、いい考えを思いつき、大葉(しそ)を洗い始めた。すると、しずきが思い出したように

「しそ餃子ね!これなら、飽きないわ!そうだ、チーズも入れてみる?美味しくなるわよ!私、この前、ちょっとチーズ入りで餃子を食べてみたら、美味しかったから、今も食べているの!私が使っているのは、冷蔵庫に入っているオムレツを作るときに使っている、細かく切ったチーズ。あれを、餃子の中にいつも私の分だけこっそり入れてるのよ。」

と言った。私は、

「よし。それなら、普通の餃子と、しそ入りの餃子と、普通のチーズ入り餃子、しそチーズ餃子ができるね!」

と言って、冷蔵庫から細かく切ったチーズを出してお皿に入れた。そして、しずきが大葉を拭きながら言った。

「キミコ、餃子にも、いろいろな包み方があるの。それだけでも、イメージが違うから面白いわよ。私が知っているのは、普通に餃子を包むのと、お店で売っているような包み方と、春巻きみたいな包み方、あと、しゅうまいみたいにできる包み方よ。」

私は、しずきの知識にびっくりしながらも自分の餃子の知識のなさになげいた。

「私、お店で売っているような包み方としゅうまい包みしかしらない…………」

しずきは、

「あら、キミコ、春巻きをこの前作ったとき、美味しそうに食べていたじゃない。私が知っているのは、あれと普通の餃子包みと、お店のような餃子包み、しゅうまいみたいな包み方だけよ。キミコも、以外と知っているじゃない。」

と言って、大葉をお皿に置いた。そして、味噌汁で使うお皿に水を入れた。そして、餃子の包み方を教えてくれた。

「ふつうの包み方っていうのは、まず、餃子の皮の周りに水を塗って、具を乗せて、それから、餃子の皮をくっつけるっていう包み方。これが包み方の中で、一番簡単な包み方。これは、簡単包みって呼ぶわね。それから、これが少しハードル上げされたものが、この少し餃子の皮を折りたたむ包み方。これは、お店包みにしようかしら。それから、春巻き包みはこうやってやるの。それから、しゅうまい包みもこうやってやれば、簡単よ。」

しずきは、実際に餃子を次々に包んでいきながら説明する。なんか、不器用な私にもできそう!しずきは、さらに説明を追加する。

「しそ餃子の時は、餃子の皮の周りに水を塗って、それから大葉をのせるの。そして、具を普通の時と同じように、乗せればいいわ。でも、しその時は具を少なめにね。包むのが難しくなっちゃうから。さあ、頑張って包みましょう。」

私は、餃子の皮をまな板に載せて水を塗った。そして、まずは普通の餃子を作ることにした。私は、具をスプーンですくった。そして、餃子の皮に載せればいい。私は、お店包みに挑戦してみた。少し難しかったけれど、上手に包めた!次は、しそ餃子にしよう。私はしそ餃子を作ってまだ火を付けていないフライパンの上にのせた。次は、チーズ入りに挑戦。さっきの春巻きは結構難しくて、危うく失敗しそうになった。私は、しゅうまい包みにチャレンジ。うう。難しい。やっと包めた頃には、もうしずきは7個目を手際よく包んでいた。頑張らないと。私は、しそチーズ餃子にした。そして、これの繰り返し。やっと、餃子が作れた。あとは、焼くだけ。焼くのは、しずきの方が慣れている。私は、なんか餃子を焦がしちゃいそう。しずきは、フライパンを手に持った。私は、そみこの方をこっそり見に行く。すると、そみこがポトフを作り終えて別の野菜炒めを大量に作っているところだった。ジューッ、ジューッといい音がする。すると、しずきが料理しているはずの所から、いい音が聞こえてきた。ジュージュー。見に行くと、餃子が焼き上がってきたところだった。しずきは、ギリギリまで待ってから餃子をお皿に全部入れた。そして、私を呼び、

「残った具があるから、ピーマンの肉詰めを作るわよ!そみこ達はきっと野菜炒めを作ってくれているから。ソーセージとほうれん草、スクランブルエッグのやつ。こっちはこっちで、肉詰めや豆腐ハンバーグを作らなくちゃいいけないから。豆腐ハンバーグは、私が予備用のキッチンルームでやるわ。キミコは、牛肉の甘辛煮を作って。キミコなら、朝飯前でしょ。もう、何回も作ってるから。」

と言った。うわあ。やることがいっぱいある。確かに、牛肉の甘辛煮は私も大好きだし作るのは朝飯前だけど。でもあれ、時間が掛かるんだよね。しかも、火を使わなきゃいけないから、ちょっと危ないっちゃ危ないんだ。私は、ピーマンを洗ってしずきに渡す。しずきは、ピーマンを半分に切ると種を取り出した。そして、私にピーマンを差し出してきた。

「キミコ、ピーマンを詰めるの、お願い。私は、豆腐ハンバーグの材料を買いに行かなくちゃ。急な思いつきだったから。みんな大好きだから、こういう日のいい料理だったのに。すっかり忘れていて。早く買いに行かないと。みんな、豆腐ハンバーグがないとがっかりしちゃうわ、きっと。キミコ達、大好きだから。まさもは特に。」

私は、二つ返事でオッケーして、ピーマンに具をうきうきで詰め始めた。しずきは、買い物バックを持ち、ピューッとスーパーに出かけていった。私は、ピーマンを全部詰め終えると、そみこ達の偵察に出かけた。そみこ達は、キッチンルームで保存箱の中にポトフと野菜炒めを入れ、チンジャーロース作りに取りかかっていた。そうだ、餃子を保存箱に入れないと。私は、フライパンごと、物置から取り出した保存箱に入れた。保存箱は、物を作ったときと同じような状態で保つことができるんだ。まだ、餃子は焼きたて。間に合った。私はピーマンの肉詰めも別の小さい保存箱の中に入れた。これで、しばらく目を離してもオッケー。私は、保存箱の蓋を閉めた。そして、リボンで飾り付けをする。よし、じゃあ、ちょっとハロウィンパーティーの衣装を探ってみようかな。もしかしたら、大はりきりなまさもが作ってくれているかもしれない。私は、まさもの部屋に行った。私達の部屋には鍵が普段着いている。でも、もしかしたら、お化け屋敷をやるからっていって外したまんまにしているかも。私はお化け屋敷が終わった後、閉めちゃったけど。試しに、まさものドアをガチャガチャと開けようとしてみた。けれども、まさものドアは開かない。私は、自分の部屋からヘアピンを持ってきてまさもの鍵穴に差し込んだ。ヘアピンは、パキッと折れずに、ちゃんと使えそうな感じだ。私は、そっとドアを開けた。そして、洋服タンスを見てみた。でも、まさもの普段の服が置いてあるだけ。念のため、ドアは閉めておこう。その時、声がした。

「キミコ?どこにいるの?まさも、キミコがいるか知ってる?まさも、いる?」

そして、インターホンのモニターを見てみると、しずきがヘアピンをガサゴソと探しているのが目に入った。しずきはヘアピンをいつも持っている。やばい!どこかに隠れないと!私は、まさもの洋服タンスの中に入り込む。そこには、たくさんの衣装が。すごい!でも、今は、そんなこと気にしている場合じゃない。私は、洋服タンスの床に置かれている服の大きな山の中に体を入り込ませた。そして、じっと待つ。すると、ガチャガチャと音が聞こえ、しずきの足音が聞こえた。けれども、カチカチと音が聞こえたかと思うと、私の体は下に投げ出された。そして、体を床に打ち付ける。私が今いるのは、真っ暗なところ。ジャンプしても、全く無駄な、井戸の底のような所。私は、恐怖で床に座り込んでしまった。ここ、すごく寒い。私は、自分の体を抱きしめて寒さに耐えた。でも、やっぱり寒い。こんなこと、しなければ良かった。私は、ぎゅっと拳を握りしめ、立ち上がるとゆっくりと壁を上っていった。そして、ついに、洋服の山の所へたどり着く。そして、体を出すと、しずきはもう扉を閉めていた。私は、しずきが鍵を掛けるのを待ち、そみこの部屋に移動してもらった。そして、こっそり気配を消してまさもの部屋の鍵を掛けて、天使羽を付け、階段に舞い降りた後、天使羽を取ってしずきにさりげなく近づいていき、今階段を上ってきたばかりだというように見せかけた。私の気配がするとしずきは振り向き、私に駆け寄ってきた。

「キミコ!心配してたのよ!どこに行ってたの?部屋を探したのに、どこにもいないんだから!さあ、牛肉の甘辛煮、作ってちょうだい!でも、無事で良かった。」

私は、キッチンに行くと、牛肉の甘辛煮を作り始めた。しずきは、1回だけ私を抱きしめた後、豆腐ハンバーグを作りに材料を持って予備のキッチンルームへ行った。私は、牛肉の甘辛煮をどんどん作っていく。これなら、私の得意技!そして、しばらくすると牛肉の甘辛煮はできた。私は、物置へ行くとフライパンと一緒に保存箱へ甘辛煮を入れた。そみこ達は、もうできたみたい。こっちに段ボール箱を抱えてやって来た。私はそみこを見つけると

「あ、そみこ。こっちは、あとしずきがある物を作ってくれてるから。」

と言った。そみこは、威張っている。

「こっちは、すごく美味しいのばっかりなんです。そっちなんか、やばい物を作ってるんじゃないでしょうね?」

私は、

「じゃあ、勝負!どっちのチームの方が、美味しく作ってるか!」

と勝負を持ちかけてみた。そみこは、負けたら最悪の提案をした。

「キミコが負けたら、キミコとしずきだけお化け屋敷の片付けをしてください。私達の方が負けたら、夜更かしオッケー、それからお化け屋敷の片付けは私とさき、さいとがやります。まさもは、料理を別で作っているので、まさももキミコの方のチームにします。キミコチームも、もちろん、負けたら夜更かしはダメですよ。」

絶対、負けられない。絶対に、こっちの方が美味しいに決まっている。勝負はどうやってするんだろう?私が疑問に思っていると、さきが奥からロボットを連れてきた。完全な美少女!でも、なんかちょっとロボットらしいかも。さきは、パソコンを手にしている。パソコンは、そういう名前のタブレット。さきは、説明した。

「この二つのチームの料理、どっちの方が美味しいか、判断してくれるロボットよ。ちゃんと公平だから。プログラムを見ればわかるわ。」

しずきは、プログラムを確認している。

「オッケーじゃない?私が見たら、ちゃんと公平よ。それに、さきがうそをつくようには見えないもの。」

よし、勝負は公平。絶対に勝つ!

「絶対に勝ってやります!」

そみこが自信満々な声を出した。私も叫び返す。

「私だって、絶対に勝ってやるから!」

そして、私達は勝負をすることになったのだ。

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第4章:ハロウィンケーキと勝負の行方

私は、最初に餃子を食べてみた。カリッ。ジュワッ。ほっぺたが落ちそうなくらい、美味しい!皮の所は、カリカリしてて、かめばかむほど肉汁がジュワッと口の中に広がる。そして、熱々で、少し肌寒くなった体を、中からじんわりと温めてくれる。そみこも、餃子を食べてみていった。

「う。なかなか美味しいじゃないですか。」

次は、そみこの方のポトフも食べてみようかな。そういえば、ロボットは何をしてるんだろう?みてみると、ロボットはちゃっかり椅子に座り、普通に食べていた。今まで気がつかなかった。私はちょっとびっくり。そうだ、餃子の紹介!餃子の紹介をした方が、美味しくなるはず!あと、ポトフも食べなきゃ!私は、みんな(イライラそみこ)に餃子のことを紹介した。

「今回、私達が苦労したのは、この餃子!皮はカリカリしてて、中からはかめばかむほど肉汁がジュワッとにじみ出す、ほっぺたが落ちそうなくらい美味しい餃子です!普通の餃子のもあるし、しそ餃子も!しかも、今日はこっそり隠し味を忍ばせております!みんなが大好きな物!これがヒントです。ほかにも、包み方を工夫して、しゅうまいや春巻きも作ってみました。みなさん、たくさんあるので、どうぞたくさん食べてみてください!」

そみこは、

「なかなか上手な説明ですね。でも、私にはもっとすごい秘密兵器があるんですから!」

と悔しそう。ふふ、してやったり!私は、ニヤニヤしてしまうのを必死にこらえながらそみこの方を見た。そみこは、立ち上がる。

「じゃあ、私のを紹介させていただきます。私が今回紹介するのは、ポトフです。ポトフは、野菜がたっぷり。しかも、チキンやソーセージ、ベーコンなども入っています。汁は、あっさりしていて、体の芯から温まるような感じがすると思います。」

そみこは、いったん言葉を切る。そして、チームのみんなで声を揃え、

「栄養たっぷりのポトフ、どうぞ食べてみてください!」

と言った。うう、団結力たっぷり。でも、こっちはもっとすごいのもあるんだからね!そみこは、悔しそうになった私を見て

「やっぱり、私の方が上ですね。」

と笑った。むかっ。この勝負、絶対負けないもんね!ロボットは、ついに料理を食べ終わった。どっちが勝ったんだろう。私はワクワクしながら待つ。ロボットは、ゆっくりと高い、かわいい声で喋った。

「勝者は…………キミコチーム。」

やったあ!私は、ガッツポーズ。そして、私達は、絶品のおいしい料理を食べ終わったのだ。

「さあ、ケーキを作るよ!」

まさもが叫んで、背中から衣装がたくさん入っている箱を取り出した。そして、私達に箱の中身を見せる。そこには、たくさんのドレスや服が。しかも、アクセサリーやメイク道具も並んでる!まさもは、自分の部屋に私達を連れて行った。そして、リモコンを取り出すとピッとスイッチを押した。すると、鏡とかがたくさん着いているメイクをするところが出てきた。って、まさも。箱の底の方にスプレー缶とかも入ってるんだけど。私は呆れながら衣装を選び始めた。中には、着ぐるみなんかもある。私は、最近この星で人気なゲームのキャラクター、「ミニャコ」の衣装を選んだ。そして、さっそく着替え始めた。そして、着替え終わるとまさもがササッとメイクをしてくれた。よし、ケーキを作るぞ!

ようやくキッチンに集まった私達。みんなも予想してると思うけど、さっそくそみこがガミガミ指示を出していた。

「キミコは、まぜまぜ係!ちゃんと混ぜるんですよ!まさもは火を使って!しずきはキミコのサポート!まさものサポートは私がやります!さきは、私があらかじめ準備しておいたあれを点検してください。それから、さいとはさきのサポート。お願いしますよ!」

ああ、もう。そみこと一緒にいると大変なことになる。私は肩をすくめつつ、食材を混ぜ始めた。そして、努力のかいがあってついにハロウィンケーキが完成した。早速、取り分けて食べてみる。ふわっとした感触。フルーツの爽やかな味わい。ものすごく、感動的!というか、私の隣にいるまさもなんて、感動しすぎて泣いてるし!そして、ケーキを食べ終わった後。全員、まさもの部屋に集合した。なにかしらゴタゴタがあったりしたけど、なんとか楽しくハロウィンパーティーができた!よし、あとは、たくさん遊ぶだけだね!私は、床に座る。床には、まさもが作った(まさもって本当に裁縫とか上手だよね!)カーペットがあるから、ふかふかなんだ。まさもは、手にしたリモコンのもう一つのスイッチを押した。すると、そみことかさきとかが企画した物らしい、イルミネーションが現れた。優しく光っているパステルカラーの光は、まるで天国にいるみたい!まさもは、床に寝転ぶ。「さあ、ハロウィンパーティーはまだまだだよ!私達の絆は、いつまでもあるんだからね!」

そうだね。私は、1人で少し笑った。たとえ、絆が壊れてしまっても、思い出はずっと心に残る。私が1人でしんみりしていると、まさもが言った。

「キミコ!ほら、こっちにおいでよ!」

今日も、まさもの元気な声が響く。私は立ち上がった。

「うん、今行くよ!」

メリット
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